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<蔵王町長選>村上氏が無投票4選

村上 英人氏

 任期満了に伴う蔵王町長選は20日告示された。無所属現職の村上英人氏(64)以外に立候補の届け出はなく、無投票で4選を果たした。
 午後5時すぎ、蔵王町平沢の事務所に村上氏が姿を見せると、支持者や県内の市町村長ら約100人が大きな拍手で迎えた。村上氏は「農業は後継者の育成と新規就農者の受け入れに取り組み、観光は広域連携でインバウンド(訪日外国人旅行者)を呼び込みたい」と4期目の決意を語った。
 村上氏は今年6月の町議会で立候補を表明。主な公約に(1)農業と観光の振興(2)2020年東京五輪でのパラオ選手団の事前合宿誘致(3)子育て支援、高齢者福祉の充実−を掲げる。任期は10月6日から4年間。
 19日現在の有権者は1万728人。

<産業振興道半ば 交流拡大不可欠>
 【解説】蔵王町長選は現職の村上英人氏(64)が無投票で4選を決めた。就任以来取り組む「蔵王」の知名度を生かした農業と観光の振興は、官民の連携や一体感が十分と言えず道半ば。町外がうらやむほど多彩な農畜産物と観光資源を擁するだけに、司令塔として正念場を迎える。
 蔵王山(蔵王連峰)に火口周辺警報が出された影響で、2015年の観光客入り込み数は約156万人と前年を1割強下回った。火山噴火をはじめとする防災対策の着実な推進は、観光産業が成り立つ前提であり、町民の安全安心に直結することを強調したい。
 20年の東京五輪に向け、歴史的な縁があるパラオとの交流促進、インバウンド(訪日外国人旅行者)の誘客など、村上氏はスポーツと国際化を活性化の鍵に加えた。くしくも第一声で明言した観光客入り込み数200万人の達成が、4期目の成果を問うバロメーターの一つとなる。
 人口減少と少子高齢化が速度を上げて進行する中、交流人口の拡大で稼いだ「外貨」を町民の福祉充実にどう生かすか。長期的、計画的な視点で「内政」にも目配りする必要がある。
 町長選の無投票は29年ぶり。濃淡はあるが町議会の大半が村上氏を支持し、町を二分する課題も今のところ見当たらない。耳が痛くても町民の意見を謙虚に受け止め、施策に反映させる姿勢と努力が、多選批判を招かないためにも不可欠だ。(白石支局・瀬川元章)


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2016年09月21日水曜日


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