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<台風10号>ほだ木大量廃棄…シイタケ出荷へ

栽培ハウスでほだ木からシイタケを収穫する従業員=20日午後、岩手県岩泉町浅内

 台風10号豪雨の被害で生産が止まっていた岩手県岩泉町の第三セクター「岩泉きのこ産業」が22日、3週間ぶりにシイタケの出荷を再開する。停電の影響で収穫間近のシイタケが付いたほだ木約45万個は駄目になったが、熟成中のほだ木から無事に収穫できた。肉厚でみずみずしい旬の味が首都圏などへ送られる。
 「やっと仕事ができる。やっぱりうれしいね」。従業員の女性がほだ木とはさみを手にして喜ぶ。湿度90%、温度23度に保たれたハウスでシイタケの収穫作業が進む。
 同社は台風が上陸した8月30日夕に停電。栽培に必要な沢水をくみ上げるポンプも土砂が流れ込んで故障した。建物に被害はなかったが、全4工場でシイタケ栽培の要となる温度と湿度の調整ができなくなった。
 収穫間近のシイタケが付いたほだ木45万個は乾燥してしまい、廃棄せざるを得なかった。
 岩手県の年間のシイタケ出荷量は全国3位の5000トン。うち1000トンを同社が生産し、9割が首都圏へ送られる。取引先からは町のキャラクターにちなみ「龍ちゃんシイタケ」と親しまれているという。
 中村和弘副社長は「9月はシイタケの旬。取引先から早く岩泉産が欲しいと言われ、一刻も早く出荷を再開したかった」と話す。
 5日前後に全工場で電気が回復し、ポンプも12日に復旧。菌を熟成中のほだ木は死滅が危ぶまれたが、無事を確認した。全工場で栽培を再開し、20日に収穫作業を始めた。
 当面の出荷量は1日600〜900キログラムと被災前の2〜3割にとどまる。佐藤吉晴社長は「無事出荷できるようになり一安心。栽培を本格化させ、早く元の出荷量に戻したい」と話した。


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2016年09月21日水曜日


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