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<秋田仏壇>高級感「梨地塗り」で勝負

小型化してシンプルなデザインに仕上げた秋田仏壇の試作品の一つ。随所に「梨地塗り」の技法を取り入れ、高級感を出している

 秋田県湯沢市川連(かわづら)町周辺を産地とする「秋田仏壇」の生産者団体が、ブランドの再構築に挑んでいる。8月上旬に完成した試作品は、地元特産の川連漆器の技法を取り入れて、簡素なデザインながらも高級感を出した。生活様式の変化で仏壇の販売が低迷する中、団体は「特徴である漆塗りの技術を前面に出して、ブランドを進化させたい」と意気込む。
 新たな取り組みを始めたのは、製造販売業者13社でつくる秋田仏壇協議会(湯沢市川連町)。4業者が、黒、赤、朱色、黒と青を基調とする仏壇4基をそれぞれ試作した。いずれも幅50センチ前後、高さは最大130センチで、重さ40キロ程度と小型化した。今年3月に県の補助事業に採択され、開発を進めてきた。
 秋田仏壇の生産額は1990年代の90億円規模から、近年は40億円規模に縮小している。販売低迷の背景にあるのが生活様式の変化だ。これまでの売れ筋は価格が60万円程度で、大きさが幅70センチ、高さ170センチ、重さ60キロと重厚さが特徴。最近の家屋は仏間がなかったり畳の部屋が減ったりしており、設置場所に困る例が出ている。
 協議会はブランドの再構築に当たり、秋田公立美術大社会貢献センター(秋田市)の五十嵐潤教授と協議し、秋田仏壇の「源流」と言える川連漆器の技法に着目した。漆を塗った木に細かく切った金箔(きんぱく)や金粉を振り掛けて定着させ、さらに漆を塗って仕上げる「梨地塗り」を取り入れた。
 協議会事務局の佐々木伸さん(60)は「地域にある技法、技術の強みを生かした。梨地塗りの仏壇は川連にしかない」と強調する。
 試作品は8月22〜24日に東京ビッグサイト(東京)であった「エンディング産業展」に出品。デザインが高く評価され、「居間に置きたい」と好評だった。今後改良し商品化を目指す。価格は60万円をやや下回る水準を見込む。
 高橋哲也協議会会長(45)は「従来の秋田仏壇も根強い人気があるが、時代に合わせた発想を加えることで産地を守りたい」と話す。

[秋田仏壇]1960年代に旧秋田県稲川町(現湯沢市川連町)の川連漆器製造業者が仏壇を手掛けたのが始まり。木に漆を塗って金箔や金粉で飾り付ける「金仏壇」が特徴。協議会は74年に発足。当時は小売りも含め約40社が加盟していた。


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2016年09月21日水曜日


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