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<仙台いじめ自殺>遺族「前進ない」

男子生徒の死を悼み、学校に隣接する公園には2年たった今も花や飲料が手向けられていた

 仙台市泉区の館中1年の男子生徒=当時(12)=が2014年9月、いじめを苦に自殺してから27日で2年がたつ。いじめが原因とされる悲劇はその後も後を絶たない。生徒の父親は河北新報社の取材に「子どもが次々と自ら命を絶つ現状を変えたい」と述べ、国にいじめ対策の強化を求めたことを明らかにした。
 青森県内の二つの中学校で8月、生徒2人がいじめ被害を訴え、自ら死を選んだ。取材に応じた父親は「息子の死も他の自治体にとっては対岸の火事。だから繰り返される」と語った。
 父親は今月20日、文部科学省に連絡し(1)いじめ対策は自治体に任せず、文科省が主導する(2)いじめの温床となる恐れがある会員制交流サイト(SNS)の対応を強化する(3)加害生徒と自治体への罰則を設ける−などを提案した。
 「息子が亡くなってから何も変わっていない。前進がなく、2年前を毎日思い出す」。危機感から踏み込んだ行動を取った。
 父親は昨年12月、奥山恵美子仙台市長と初めて面会し、いじめ対策を提言した。当初、謝罪の言葉を口にした市長の対応を好意的に受け止めたが、その後、具体的な動きがなく、不信感と失望感を抱いた。
 今年3月にまとまった市教委第三者委員会の2次答申を受け、進行状況を確かめようと再度、市長への面会を求めたが、遺族が申し立てた調停を理由に拒まれた。「市はその場の体裁を整えただけで何もしない」と語気を強める。
 第三者委は日常的ないじめが自殺につながったとする答申をまとめたが、調停で加害生徒側は全員がいじめを否定。いじめと自殺の関連を認めた市も、賠償責任はないと主張した。
 調停は物別れに終わり、父親は市と加害生徒8人に約5500万円の損害賠償を求めて裁判を起こした。
 「相手の子どもたちに事実と向き合わせ、反省させたい。何十年かかろうが、息子のために何でもやる」
 27日の命日、息子の墓を訪れ、改めて誓う。


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2016年09月24日土曜日


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