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<台風10号>楽ん楽ん再建断念 跡地に慰霊碑

浸水で入所者9人が犠牲になった楽ん楽んは、取り壊される方向で検討が進んでいる=岩手県岩泉町

 台風10号豪雨で被災し、入所者9人が亡くなった岩手県岩泉町の高齢者グループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」について、運営する同町の医療法人社団「緑川会」が現地での再建を断念したことが23日、分かった。施設は取り壊し、跡地には慰霊碑の設置を検討する。近く理事会を開き正式決定する。
 緑川会の佐藤弘明常務理事(53)は河北新報社の取材に「9人を亡くしてしまった施設を同じ場所で再開するのは、遺族に対して失礼だと思う」と現地に再建しない方針を示した。
 跡地については「入所者の遺族の方々のためにも、慰霊の場が必要だと考えている」と慰霊碑を設ける方向で検討が進んでいることを明らかにした。
 「楽ん楽ん」に隣接する介護老人保健施設「ふれんどりー岩泉」は、同じ場所で運営を再開する。水害対策として周囲に高さ約2メートルのコンクリート擁壁の整備を検討する。「楽ん楽ん」に代わるグループホームは別の場所で新設を目指す。
 町によると、介護保険で要介護認定を受けた65歳以上の被保険者は853人(7月末現在)。町内には別のグループホームが2カ所あり、来春には新たに1カ所が開所する。入所待機者が出る可能性は低いという。
 「楽ん楽ん」は2011年4月に開所。8月30日の台風10号豪雨で施設南側を流れる小本(おもと)川が氾濫し、木造平屋の建物を直撃。入所していた70〜90代の男性2人、女性7人が死亡した。
 3階建ての「ふれんどりー岩泉」も2階まで浸水したが、入所者85人は3階に避難して無事だった。現在は県内の複数の施設に入所している。


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2016年09月24日土曜日


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