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<原発事故>「全面緊急」時 富岡町全町避難

 東京電力福島第1原発事故で全町避難する福島県富岡町は23日、第1原発、第2原発の重大事故などに備える地域防災計画を改定した。燃料プールの大幅な水位低下など、いずれかの原発が「全面緊急事態」に陥った場合、原発の半径5キロ圏内の住民だけでなく、町内全域で避難を始めることとした。
 全面緊急事態が宣言された場合、国の原子力災害対策指針は、半径5〜30キロ圏は放射性物質を避けるため、まずは「屋内退避する」としている。富岡町は原発事故を教訓に、5キロ圏内と同様に即時避難する独自の対応が不可欠と判断した。
 富岡町には第2原発が立地し、一部が半径5キロ圏に、全域が第1原発、第2原発のそれぞれ30キロ圏に入っている。第1原発の5キロ圏にも一部が隣接する。
 町は来春を目標にする帰還開始を前提に改定作業に着手。大混乱した原発事故を教訓に、(1)全面緊急事態となれば想定外の状況発生が懸念される(2)不安が大きくなり、大勢の町民が自主避難に踏み切ると想定される(3)第1、第2原発で避難対応が異なると町民への説明が複雑になる−などと考え、即時避難を決めた。
 原発事故から5年半がたち、家屋の老朽化と劣化が進行。一時帰宅者らが屋内退避できるコンクリートの建物が限られ、安全面で不安が残ることも理由だ。
 町は旧防災計画では全町避難を想定しておらず、避難準備が後手に回った。町安全対策課は「人命を最優先し、まず町内から安全な場所に避難することが重要だ」と説明する。
 防災計画の改定は23日の町防災会議で決定した。即時避難となる「全面緊急事態」は、原子力災害対策指針が定める3段階の緊急事態のうち最も深刻な段階。事態を判断する状況は原発の種類などで異なる。


2016年09月24日土曜日


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