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<仙台東道路>構想足踏み 県主導市は慎重

 仙台東部道路と仙台市中心部を結ぶ新たな自動車専用道路「仙台東道路」の建設構想が足踏みしている。主導する宮城県は渋滞緩和効果などを挙げ東日本大震災からの復興事業の目玉に位置付けるが、仙台市は周辺の通行量を見極めたいと推進に慎重な姿勢を崩していない。専門家は「東道路に固執せず仙台圏全体の交通体系を考えるべきだ」と指摘する。

 県が構想する東道路は、仙台東部道路仙台東インターチェンジ(IC)−仙台港IC間から、JR仙台駅東口方面に伸びる約7キロの自動車専用道路。東北道仙台宮城ICと市中心部を結ぶ仙台西道路と同様の機能を想定する。
 県は2013年12月、仙台市、東北地方整備局、東日本高速道路東北支社に呼び掛けて「仙台東部地区道路ネットワーク検討会」を設置。三陸沿岸道路の整備に伴う交通量増加を見越した渋滞緩和、宮城野区宮城野原地区に整備する広域防災拠点の機能向上を目的に挙げる。
 検討会は当初、14年度中に方針をまとめる予定だったが、結論はまだ出ていない。市は東部地区の渋滞について「復興関連工事が完了すれば現状より大型車の通行量が減る可能性がある」として、推移を見極める必要があるとの立場だ。
 昨年12月の市地下鉄東西線の開業に伴い、市は公共交通機関を土台に据えた東部地区のまちづくりを進めている。「東道路開通で中心部に乗り入れる車が増えるのは困る」(交通政策課)と悪影響も懸念する。
 東道路は既存の市道の上に高架橋を通す案が有力で、建設費は数百億円に上り、完成まで10年程度が見込まれる。宮城大事業構想学部の徳永幸之教授(交通計画)は「莫大な金と時間がかかるなら別の手段を考えるべきだ」と指摘する。
 渋滞緩和策として、徳永氏は「高速道の料金改定や仙台南部道路の4車線化、地下鉄駅のパーク・アンド・ライドを組み合わせても可能ではないか」と提案する。
 検討会は年度内には方向性を打ち出す見通し。村井嘉浩知事は観光、救急医療の充実にもメリットが発揮できるとして実現を目指す構えだ。県道路課は「効果を具体的に示し、計画を進めたい」と理解を求める。
 東北地方整備局は「地下鉄東西線の開業による渋滞ポイントの変化などを分析し、県や市と必要性を考えていく」と説明する。


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2016年09月25日日曜日


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