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<福島第1>地下水位上昇 対応苦慮

バキュームカーで井戸から水をくみ上げる作業員=21日午前(東京電力提供)

 東京電力福島第1原発の汚染水対策で、岸壁に面したエリアの地下水位が想定を超えて上昇し、東電が対応に苦慮している。地下水の流れ込みを防ぐ凍土遮水壁の効果がいまだに表れない上、雨水の浸透を抑える舗装工事も進まず、8月以降の降雨の影響でポンプによるくみ上げが追いつかない状況に陥った。台風シーズンに入っており、東電はポンプ増設などの対策を検討する。

 岸壁に面したエリアは海抜4メートルの「4メートル盤」と呼ばれ、エリア内の井戸の地下水位は20日夜、台風16号接近による降雨で地表面まで上昇。21日朝には地表面を5センチ上回った。東電はバキュームカーでくみ上げを行ったが、23日午前まで断続的に水位が地表面を超える状況が続いた。
 第1原発では、台風接近が相次いだ8月15日〜9月19日、500ミリを超す積算雨量を観測。19〜23日は計134ミリの降雨があり、水位上昇に備えて仮設のポンプ2台も稼働させていた。
 同原発では昨年秋、鋼鉄製のくいで汚染水の海洋流出を防ぐ海側遮水壁が完成。行き場を失った地下水が地表にあふれ出ないよう、東電は「地下水ドレン」と呼ばれる五つの井戸からくみ上げている。
 今年3月に稼働した凍土遮水壁が効果を発揮すれば、1日300トン前後のくみ上げ量が70トンに減るとみているが、明確な変化は今のところ出ていない。
 4メートル盤に雨がしみこまないよう進めている舗装や屋根の設置などの対策も、建屋周囲などに工事ができていない場所があるという。
 地下水位を観測している井戸には鋼鉄製のふちがついており、直接の地下水流出は確認されていない。港湾内の海水の放射性物質濃度が上昇したが、東電は「排水路からの雨水流入の影響が大きい」と説明している。


2016年09月25日日曜日


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