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<インバウンド>二本松市、訪日客誘致に力

二本松市に伝わる太鼓の演奏で歓迎を受ける台湾からのツアー客

 福島県二本松市は東京電力福島第1原発事故後の交流人口拡大に向け、訪日外国人旅行者の誘致に力を入れ始めた。今年を「インバウンド元年」と位置付け、今月中旬には台湾からのツアーを開催。岳温泉などが福島県内周遊の宿泊拠点となることをアピールした。

 15日から3泊4日で実施したツアーは、東京の海外向けマーケティング会社と連携して企画した。メディア関係者を含む約190人はチャーター便で福島空港に着き、会津若松市の鶴ケ城や下郷町の「大内宿」などを回った。フルーツ狩りや浴衣姿での散策も体験した。
 二本松市では二本松城跡などを訪問。岳温泉での交流会では、地元に伝わる太鼓の演奏や二本松少年隊の演舞による歓迎を受けた。
 同市が外国人誘客に乗り出すのは初めて。ツアーに向けて今春、二本松を紹介する旅番組を現地で放映し、原発事故に対する懸念払拭(ふっしょく)や事前PRに努めた。番組の一部は台湾のコンビニ約5000店にある画面でも流した。ツアーは発売後2日で完売したという。
 参加者の評価は上々だった。台北市の会社員高鄭輝さん(56)は「東京や大阪にない日本の自然を体感したい。田園風景が見られて満足」と話した。
 連携したマーケティング会社によると、二本松市は温泉があり、周辺観光地へのアクセスもよく、外国人誘客を期待できるという。新野洋市長は「今後は台湾以外からの受け入れ態勢も整えたい」と意欲を見せる。

 観光庁によると、福島県の2015年の外国人宿泊者は延べ4万8090人。10年(8万7170人)の55.2%にとどまり、原発事故の影響が続く。
 福島空港は上海、ソウルの2路線あった国際定期便が事故後に運休したまま。15年度の国際線利用者はチャーター便のみで3668人。10年度(6万2250人)の5.9%にとどまる。
 県空港交流課は「定期便の再開や新規路線開設にはチャーター便による実績づくりが重要。二本松市のような取り組みが広がってほしい」と期待を込める。


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2016年09月26日月曜日


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