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<西武>飛躍続ける岸 10年で100勝達成

プロ入り10年目の岸。カーブを武器に飛躍を続ける=8月23日、ほっともっと神戸

 西武の岸孝之投手がプロ10年目のシーズンを終えようとしている。8月16日のソフトバンク戦で今季6勝目を挙げ、宮城県出身投手としては1970年の若生智男(阪神など)に続く2人目の通算100勝に到達。9月14日のロッテ戦ではプロ通算1500投球回も達成した。大きく緩いカーブを武器に、飛躍を続けるエースの歩みを振り返る。

<努力を重ね魔球>
 仙台市出身。2006年の仙台六大学野球春季リーグで東北学院大を35季ぶりの制覇に導いた150キロ超の右腕として、同年秋の大学生・社会人ドラフトの希望枠で西武入り。当時、大リーグレッドソックスに移籍した松坂大輔(ソフトバンク)と入れ替わりで、「松坂さんの穴を少しでも埋めたい」と奮起。開幕から先発の一角として着実にキャリアを重ねた。
 「1、2年目はただがむしゃらに走り抜けた。エースに涌井秀章(ロッテ)がいたので、その背中を追いかけるように」。1年目の07年、高卒の東北楽天・田中将大(現大リーグヤンキース)に新人王こそ奪われたが、同じ11勝を挙げた。翌08年はチームトップの12勝でリーグ優勝に貢献。続く巨人との日本シリーズでは2勝を挙げてMVPにも輝いた。
 日本シリーズで、岸の代名詞となったのが魔球のような緩いカーブ。プロに入り間もなくして習得したものだった。当時の荒木大輔投手コーチらに「少しスピードを抑えたカーブにすれば、直球との緩急が生きる」と助言を受け努力を重ねた。「プロ入り直後は大学時代ほど速球が走らず、模索の時期だった」。岸にとってプロの壁を乗り越える大きなきっかけになった。

<無安打無得点も>
 10年まで2桁勝利を続け、松坂もできなかった新人からの4年連続10勝以上を記録。12年からも3年連続で2桁勝利を挙げた。涌井がロッテへ移籍した14年からはエースの座に君臨。同年5月には当時史上78人目の無安打無得点試合を達成した。
 ここ2年は内転筋や脇腹のけがが続き、2桁勝利を逃したこともあり、「自分はまだ胸を張れるエースではない。エース(仮)くらいだ」と謙遜する。それでも存在感を示したのが14日のロッテ戦。「先発投手だから、狙える時は完投を目指す」と10回を135球1失点で、延長十一回こそ抑え投手にマウンドを譲ったが、チームを勝利に導いた。
 12月で32歳。選手として円熟期にある。「守りに入らず、1年1年勝負して少しでも長い野球人生を送りたい」。この10年間は岸にとって通過点に過ぎない。


2016年09月27日火曜日


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