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<台風10号>避難長引く岩泉 介護需要増

入所者の食事を介助する応援スタッフたち=23日、岩手県岩泉町の特別養護老人ホーム「百楽苑」

 台風10号の豪雨被害に遭った岩手県岩泉町で、介護サービスの需要が高まっている。家族が被災して世話できなくなるなどしたためだ。東日本大震災の被災地では避難生活の長期化に伴い、要介護認定される高齢者らが増えた。30日で災害発生から1カ月。高齢化率が4割を超える岩泉町でも今後、大きな課題となることが予想される。
 岩泉町尼額(あまびたい)地区の農業山崎定富さん(63)は、同居する義母(93)を町唯一の特別養護老人ホーム「百楽苑」に受け入れてもらっている。床上1メートル40センチ浸水した自宅2階で生活しながら、洗浄や消毒に追われる。
 義母は認知症があり、通所や短期入所サービスを利用していた。増水した川に行こうとするなど、目が離せない。「本当に助かる」と山崎さん。住宅再建のめどが立たない中、グループホームへの入所を待つ。
 被災後、百楽苑は世話が必要な高齢者の緊急入所先となった。定員120人はほぼ満床だったが、最大約30人を受け入れた。他の介護施設や訪問介護が再開して人数は減ったが、定員を上回る状況が続く。
 自宅の被災や道路寸断で通勤できないスタッフもいて人員不足に直面。県内の介護施設や全国の系列施設の応援を得て、職員の負担軽減を図ってきた。
 震災では岩手、宮城、福島3県の要介護・要支援認定者数が2010年9月からの5年間で約20〜25%増加。東北の他県より増加率が高かった。仮設住宅などで長引く避難生活が一因とみられる。
 台風10号後も、避難所で入浴介助が必要となったり、都市部の家族の元に身を寄せて外出しなくなり、身体機能が衰えたりする高齢者が出始めているという。
 町の高齢化率は県平均と比べ約10ポイントも高く、高齢の独居や夫婦世帯も多い。介護施設関係者は「もともと家庭の介護力が低下していた」と指摘する。
 町長寿支援室の担当者は「環境変化は高齢者に好ましくなく、要介護認定の申請が増えるのではないか」と話す。町は隣接自治体にも受け入れ協力を求める。


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2016年09月30日金曜日


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