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<台風10号>癒えぬ悲しみ 岩泉311人避難

入所者9人が犠牲となった高齢者グループホーム「楽ん楽ん」で献花台に手を合わせる職員=30日午前9時ごろ、岩手県岩泉町

 岩手県内で20人が死亡した台風10号豪雨は30日、発生から1カ月となった。被害が甚大だった岩泉町では311人が避難所生活を強いられ、県や町は仮設住宅300戸の整備を急ぐ。県内では依然、岩泉町で2人、宮古市で1人が行方不明となっており、県警や消防が捜索を続けた。同町では町民が各地で黙とうをささげ、犠牲者の冥福を祈った。
 入所者9人が犠牲となった高齢者グループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」では同日朝、施設職員ら約10人が集まった。入り口の献花台に花を手向け、手を合わせて深々と頭を下げた。
 運営する医療法人社団「緑川会」の佐藤弘明常務理事(53)は「1カ月たっても、9人の尊い命をなくしたことへの申し訳ない気持ちは永遠に変わらない」と沈痛な面持ちで語った。
 正午には町の防災行政無線でサイレンが鳴らされ、町民は一斉に目を閉じ、1分間の祈りをささげた。町内7カ所の避難所で最多の141人が生活する龍泉洞温泉ホテルでは、避難者が黙とうした。
 鼠入(そいり)地区から避難した男性(57)は「20人という犠牲者数には重みがある。自分も一歩間違えばその中に入っていたかもしれない。どうか安らかに眠ってほしい」と話した。
 町によると、町内では停電が約100戸、断水が247戸で続いている。住宅被害は全壊が399棟、大規模半壊226棟、半壊194棟など計855棟に上った。県警と消防は同日、小本(おもと)川周辺で行方不明者を集中捜索した。
 伊達勝身町長は「1カ月は無我夢中だった。町民には共に力を合わせて、岩泉を必ず復活させようと訴えていきたい」と語った。


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2016年09月30日金曜日


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