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<花春酒造>事業譲渡 新会社で経営再建へ

記者会見で事業譲渡を発表する(左から)宮森氏、新井田氏=会津若松市役所

 約300年の歴史を持つ老舗酒蔵の花春酒造(福島県会津若松市)は29日、経営悪化などを理由に酒造事業を、地元ゆかりの経済人5人が出資した新会社に譲渡したと発表した。新会社は社名を引き継ぎ、「花春」のブランド、従業員約20人の雇用を維持する。社長には地元出身の出資者の一人で、幸楽苑ホールディングス(HD、郡山市)社長の新井田伝氏(72)が就いた。
 花春は1718年創業でピーク時の1978年には37億円の売上高を記録。日本酒市場の縮小や消費者の好みの変化で、主力の普通酒の不振が続いて経営が悪化。東京電力福島第1原発事故の風評被害も重なり、昨年の売上高は約2億5000万円に落ち込んだ。
 新会社は資本金3000万円。会津若松市神指町の工場で、これまで通り酒造りを続ける。新井田氏は個人としての出資で、幸楽苑HDと新会社との間に資本関係はない。
 旧会社は「神指興産」と名称を変更し、不動産売却などで総額約5億円の負債整理に当たる。創業家の宮森泰介氏(59)が引き続き社長を務める。
 会津若松市役所で記者会見した宮森氏は「倒産回避を目指したが、力不足だった。より良い花春になるはずで(譲渡を)前向きに捉えている」と強調。新井田氏は「営業次第で結果は出せる。売り上げを5億円に倍増するのは難しいことではない」と述べた。
 福島県の日本酒は全国的に高い評価を受けているが、6月には栄川酒造(磐梯町)が東京の食品関連会社の傘下に入るなど経営再建の動きが出ている。


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2016年09月30日金曜日


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