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<広域防災拠点>知事持論に「再考を」

宮城野原公園総合運動場(右奥)に隣接するJR仙台貨物ターミナル駅=仙台市宮城野区

 県議会9月定例会は30日、一般質問を終えた。代表質問を含む計5日間の論戦では、県が仙台市宮城野区宮城野原地区に整備する「広域防災拠点」を巡る攻防が熱を帯びた。「建設地の再考を」と迫る野党会派に、村井嘉浩知事は「圧倒的に地理的優位性が高い」と反論。将来の大災害に備える巨大事業を、議会一丸で支える態勢には程遠い。
 野党各会派は、拠点を整備するJR仙台貨物ターミナル駅(約17ヘクタール)の間近に存在する活断層「長町−利府断層」に焦点を当てた。
 共産党県議団(8人)の天下みゆき氏は、直下型地震が起きれば周辺の道路が寸断される危険性を指摘。「いざという時に宿営地として機能しない」「被害想定について仙台市との協議が不十分」と畳みかけた。
 村井知事は「『あの場所には必要ない』との視点ではかみ合わない」と顔をこわばらせて応酬。「東北、宮城にとって有効な施設になる」と言い切った。
 総額約295億円の整備費を疑問視したのは、社民党県議団(2人)の岸田清実氏。「福祉の充実に充てず、巨額の税金をつぎ込む事業に県民の理解は得られるのか」と問い詰めた。
 知事は「知事就任から間もなく11年、大規模な土地開発やハコモノ建設はやっていない。今回は悩んだが、防災拠点は必要だ」と熱意をみなぎらせた。
 みやぎ県民の声(10人)の藤原範典氏は「土地取得優先で宮城野原ありきではないか」と追及した。知事は仙台東部道路、仙台港、仙台医療センターに近い利点を挙げ「支援部隊や物資の集結、傷病者の搬送に最適だ」と切り返した。
 知事与党の最大会派、自民党・県民会議(32人)は6月定例会で用地取得費を計上した予算案を成立させた。取得を認める議案を審議している9月定例会ではこれまで計9人が壇上に立ったが、整備予定地への明確な賛成論は控えている。
 ある中堅議員は「仙台につくる必然性がない」と会派内にくすぶる不満を念頭に「慎重に進めていかないと」と説明する。
 週明け後は、予算特別委員会や常任委員会を舞台に論戦が繰り広げられる。


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2016年10月01日土曜日


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