岩手のニュース

<台風10号>生活基盤 いまだ戻らず

土砂が流れ込んだ自宅近くでコメをとぐ山下さん=30日、岩手県岩泉町安家

 台風10号豪雨の被害が甚大だった岩手県岩泉町の山間部では、長期の断水が続くなどライフラインの完全復旧に時間がかかっている。被災から1カ月がたったものの、戻らない日常に住民のストレスは限界に達している。
 町などによると、30日現在、断水は計247戸に上り、給水車を巡回させている。停電は26戸までに減少した。全世帯の約5分の1の1000戸で固定電話が不通となっている。
 集落を大量の土砂が襲った乙茂地区の農業熊谷スワさん(77)は毎日、土砂崩れを起こした沢沿いの坂道を上った先の湧き水のくみ場まで、ペットボトルを満載した一輪車で通う。
 「水の確保だけでも大変。早く全てが復旧し、元の生活を取り戻したい」と気丈に話した。
 断水戸数の大半の約200戸を占める二升石地区。近くの公共井戸が土砂に埋まり、農業三上民子さん(69)は給水車が頼りだ。
 「大変な1カ月だった。今もお風呂をためて入るのは3日に1度で我慢している。毎日の疲れが抜けない」とため息をつく。
 安家(あっか)川流域が甚大な被害を受けた安家地区。断水に苦しむ自営業山下サノさん(70)は、沢水を引いて一人きりの生活をしのぐ。
 ペットの犬の世話で避難所には行けない。30日昼時点でも停電が続き、夜はろうそくで過ごしてきた。「なるべく人の手を煩わせたくない。何とか早く電気を通してほしい」と痛む膝をかばいながら話した。
 町は10月2日の全世帯の通水完了を目指す。上下水道課は「配管に詰まった泥の洗浄に全力を挙げたい」と話す。
 停電について東北電力岩手支店は「道路が被害を受けた地域に工事車両が入れない状態が続いている。全面復旧の見通しは立たない」と説明する。


関連ページ: 岩手 社会

2016年10月01日土曜日


先頭に戻る