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<台風10号>栗しぼり 苦難乗り越え発売

発売に向け、栗しぼり作りに励む従業員

 岩手県岩泉町の菓子店「中松屋」が台風10号豪雨の被災を乗り越え、秋の銘菓「栗しぼり」を1日に発売する。停電や断水、人手不足を克服し、毎年恒例の発売日に間に合った。店は「県内外に町も店も頑張っていることを発信したい」と意気込む。

 町の中心商店街にある中松屋は8月30日の豪雨で倉庫が約1.6メートル浸水。包装紙や段ボール類が水浸しになった。店舗と工場に被害はなかったが、断水で商品製造は中断。冷蔵庫は停電で使用できず、ケーキや生菓子は避難所に配った。
 従業員16人は道路復旧とともに戻り始め、断水が解消した9月12日に製造を再開。栗しぼり作りに取り掛かろうとしたが、人手不足に直面した。
 1日700〜800キロのクリを蒸して皮を取り除く仕込み作業は毎年、町のシルバー人材センターに依頼していた。台風被害でセンターの応援は見込めず、休業中の企業のパート従業員らに声を掛けて人数を確保した。仕込みは20、21の両日に終え、23日から栗しぼり作りを進めている。
 クリと砂糖だけを使い、豊かな風味の栗しぼりは全国的に人気がある。被災後は県内のほか東京や名古屋、京都などの顧客から「店は大丈夫ですか」「栗しぼりは販売しますか」と問い合わせが相次いだ。
 佐藤鉄太郎社長(82)は「皆さんの温かい言葉に感謝している。多くの人の協力で今年も10月1日に出せる。ほっとしている」と語った。栗しぼりは1個220円。インターネット販売もある。連絡先は中松屋0194(22)3225。


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2016年10月01日土曜日


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