岩手のニュース

<台風10号>爪痕深く 癒えぬ傷

入所者9人が亡くなった高齢者グループホーム「楽ん楽ん」で黙とうをささげる職員=30日正午ごろ、岩手県岩泉町乙茂

 岩手県内で20人が死亡した台風10号豪雨は30日、発生から1カ月となった。県は同日、概算被害額が1411億5658万円に達したと発表した。被害が甚大な岩泉町では745億円に上る。県内では岩泉町で2人、宮古市で1人が行方不明のままで県警や消防が捜索を続けた。岩泉町は1日、罹災(りさい)証明書の発行を始める。県や町は仮設住宅300戸の建設を急ぐ。30日は町内各地で黙とうがささげられた。
 概算被害額は道路の復旧に伴い調査が進み、9月27日時点と比べ17億1330万円増えた。土木関連は876億円。市町村管理の道路や橋を中心に被害調査を進めている。
 農林水産関連は273億円。林道の流出や農地への土砂流入、養殖施設での被害が目立つ。商工業関連は事業所や宿泊施設、商店の浸水などで229億円。
 住宅被害は21市町村で4045棟となった。内訳は全壊379棟、半壊2120棟、一部損壊459棟、床上浸水147棟、床下浸水940棟。
 岩泉町の被害額は土木施設559億円、農林水産関連107億円、事業所や商店、観光施設37億円など。調査が続いており、被害額はさらに膨らむ見通し。
 同町では311人が避難所生活を送り、断水が247戸で続く。停電は26戸にまで減った。県警と消防は小本(おもと)川周辺で行方不明者の捜索を実施した。
 町議会は30日、町道の復旧費などを盛り込んだ総額約16億9700万円の本年度一般会計補正予算案を可決した。
 伊達勝身町長は「亡くなられた方々に心からお悔やみ申し上げる。未曽有の大災害だが、町民と力を合わせ元の美しい岩泉を必ず復活させたい」と話した。


関連ページ: 岩手 社会

2016年10月01日土曜日


先頭に戻る