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<台風10号>岩手 農林水産の被害深刻

 台風10号豪雨から1カ月がたち、岩手県内では沿岸部を中心に農林水産業への深刻な被害が明らかになってきた。30日現在の概算被害額は273億8099万円に上る。一部の内陸自治体でも水田が冠水するなど被害は広範囲に及ぶ。水産業では東日本大震災の津波で被災して復旧した施設が、再び被害に遭ったケースもある。県は早期の再生に向け支援体制を強化する。
 県内の主な農林水産関連の被害は図の通り。被害額の内訳は農業が91億4355万円、林業が106億3360万円。水産業が75億9623万円。
 最も被害額が大きい林業は、林道が岩泉町など17市町村の1691カ所で橋が流されたり、路肩が決壊するなどの被害があった。被害額は88億円。岩泉町では住民の生活道路として使われている区間もあり、町が復旧を急ぐ。
 特産のシイタケの栽培施設もほだ木が流失したり、栽培施設が冠水したりする被害が8市町村17カ所で確認された。
 農業では川の氾濫による浸水被害が甚大だ。水田は17市町村の271.8ヘクタールで冠水や稲が倒れ、被害額は1億4700万円。内陸部の遠野市や軽米町でも被害が出た。土砂が流入した水田や畑は426.5ヘクタール。水路や揚水機など農業用施設も19市町村の753カ所が被災した。
 水産業は沿岸全域で被害を確認した。防波堤は大船渡市や宮古市など9市町村の31カ所で被災。釜石市の仮宿漁港では、震災から復旧した防波堤が7メートル横滑りした。サケのふ化場は20カ所のうち10カ所が被災。うち4カ所は年度内の復旧が難しい見通し。大船渡市や陸前高田市など沿岸南部でも高波で養殖棚が壊れたり流失したりした。
 調査は継続中で、被害額はさらに膨らむ見込み。県は被害が集中した岩泉町や宮古市、久慈市に職員を派遣し支援する。紺野由夫県農林水産部長は「震災より大変な被害を受けた地域もある。沿岸北部では震災から早期復旧を果たした地域が被災した。営農や生産の早期再開に向け全面的に支援する」と話す。


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2016年10月01日土曜日


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