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制度悪用?アニメ制作会社が従業員を農作業に

旭プロの宮城白石スタジオが入る白石市情報センター「アテネ」

 宮城県白石市に作画スタジオがあるアニメ制作会社「旭プロダクション」(東京都練馬区)が、東日本大震災の緊急雇用創出事業を利用して雇った従業員を別会社に派遣し、アニメ制作とは無関係の農作業に従事させていたことが1日、分かった。事業を委託した宮城県と白石市は、同社が人件費の一部を不正受給した疑いがあるとみて調査している。

 県によると、旭プロは2012年11月〜今年3月、県が発注した「アニメむすび丸」の制作などを計約8610万円で受注。県内在住の男女39人をアニメ制作名目で雇った。
 ところが、同社は少なくとも10人を10日間、宮城県蔵王町の農業生産法人「GFC」に派遣し、アニメ制作とは無関係の農作物の収穫に当たらせた。GFCの男性社長は旭プロの役員を兼務しており、GFCは旭プロの事実上の子会社とみられる。
 白石市も旭プロに国の緊急雇用創出事業を活用したアニメやフリーペーパー制作などの事業を委託。同社は12年12月〜15年1月、17人を雇ったが、少なくとも5人が1週間、GFCへ派遣されたという。
 県と白石市は今年2月、「(旭プロが)不適切な労働者派遣をして、目的外の業務に当たらせている」との情報提供を受け、調査に着手。旭プロは県や市の調べに、従業員の一部をGFCに派遣し、農作業に従事させた事実を認めたという。GFCは県と市の調査後の今年3月末に事業所を閉鎖した。
 県と白石市はGFCへ派遣された人数や回数が現時点の調査より増え、不適正な人件費の受給額はさらに膨らむ可能性があるとみている。
 旭プロは河北新報社の取材に「県が調査中であり、コメントは控えたい」と話した。

[旭プロダクション] 1973年設立。人気漫画「ワンピース」のアニメ映画や「ジョジョの奇妙な冒険」のアニメ制作などの実績がある。本社は東京都練馬区。2010年4月、白石市の市情報センター「アテネ」内に宮城白石スタジオを開設した。


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2016年10月02日日曜日


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