宮城のニュース

<里浜写景>流れコンブ 海からの贈り物

天日で干される流れコンブ。陽光で透けると、明るいあめ色に輝く
天日で干される流れコンブ。陽光で透けると、明るいあめ色に輝く

 白波が打ち寄せる磯で、日差しを浴びたコンブが輝く。荒れた海で岩から引き剥がされ、浜に打ち上げられた天然物。漁師たちは「流れコンブ」と呼ぶ。
 宮城県石巻市北上町十三浜に広がる海はミネラルに富んだ北上川の水と、海水が混じり合う。海藻類の生育に好条件で、住民の暮らしを支えてきた。
 「ぬめりが強く、コシもある。とろろ昆布やだしに最適なんだよ」と大指(おおざし)地区で漁業を営む遠藤市男さん(66)。コンブを採って30年以上になる。
 台風一過の秋晴れの朝、収穫に汗を流した。拾い集めたコンブはすぐに、渇いた石の上で天日干しにする。質良く仕上げるこつという。
 初秋の海からの贈り物。いい年もあれば、悪い年もある。「今年は不作だなあ」と言う浜の人たちに暗さは感じない。皆、自然との付き合い方を心得ている。(文と写真 写真部・長南康一)

[メモ]十三浜の地名は、北上川河口北岸に張り付くように13の集落が点在していることが由来。宮城県内有数の海藻の宝庫で、養殖業も盛ん。「流れコンブ」は2月ごろ、岩場に自然と付着した種が成長した。収穫時期は最も味がいい、お盆すぎから11月ごろまで。


関連ページ: 宮城 社会 里浜写景

2016年10月02日日曜日


先頭に戻る