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<在宅被災者支援>ケースマネジメント導入提言

 東日本大震災で被災した自宅にとどまる在宅被災世帯を支援するため、日弁連が、被災者生活再建支援制度を拡充して「災害ケースマネジメント」を導入するよう国に提言している。専門知識を持つ生活再建支援員を自治体に配置し、個々の実情に応じた支援計画を作ることが柱。支援員が複雑な制度と各世帯のつなぎ役となり、最善の復興方法を探る新たな仕組みだ。
 在宅被災世帯は持病や障害を抱えていたり、家族の介護があったりして避難所から被災した自宅に戻らざるを得なかったケースが大半を占める。高齢、貧困の世帯が多い上、仮設住宅や災害公営住宅への入居資格がない場合もある。
 提言によると、支援員は在宅被災世帯を戸別訪問し被災状況や収入を調査。既存の支援メニューを組み合わせたオーダーメードの支援計画を立て、自立するまで継続的にサポートする。
 事業主体は市町村を想定。必要に応じて法律家や保健師を交えたケース会議が対応を話し合う。
 現行の支援制度は多様なメニューが用意されている半面、生活再建支援金だけでは補修が完了しなかったり、いったん応急修理制度を利用すると補修が不完全でも仮設住宅に入居できないなどの問題が指摘されていた。
 日弁連災害復興支援委員の吉江暢洋弁護士(岩手弁護士会)は「在宅被災世帯は既存制度の隙間にこぼれ落ちてしまうケースが多い」としてコーディネート役の必要性を強調する。
 日弁連の提言を先取りする形で石巻市は年内にも、仙台弁護士会に委託して在宅被災世帯の実態調査を行う。
 市生活再建支援課は「在宅被災世帯は見えにくく、実態を把握できていない部分もある。被災者の申し出を待つのではなく、こちらから出向いて状況を確認し、寄り添って支援策を講じたい」と説明する。
 提言を受けた内閣府は「支援金引き上げや自立支援アドバイザーの必要性は議論している。引き続き検討していきたい」と、今のところ慎重な姿勢だ。


2016年10月03日月曜日


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