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<在宅被災者支援>市と民間協力し生活再建

ケース会議で在宅被災世帯への対応を話し合う共生地域創造財団のメンバーら=大船渡市

 在宅被災世帯への対応で、岩手県大船渡市は、東日本大震災の発生直後から市と民間団体が協力して実態調査や生活再建に取り組んできた。津波浸水域に残る全家屋を調査し、支援を必要とする世帯を特定。支援計画の策定を手伝い、生活再建に結び付いた事例も数多い。日弁連は同市の取り組みも参考に「災害ケースマネジメント」導入を提言した。
 市の委託を受けて公益財団法人「共生地域創造財団」(宮城県名取市)は、2012年5月〜13年6月までに津波浸水域の全家屋を戸別訪問した。
 現在、被災家屋にとどまって暮らすのは約680世帯。住宅再建のための補助金制度を知らずに修繕を諦めている世帯が多く、補助を申請するよう情報提供に努めた。
 生活困窮世帯には食料や生活物資の無償提供を実施。財団自前の緊急小口貸し付けのほか、失業者には就労支援をする民間事業者のあっせん、就職面接用スーツの貸与などきめ細かい支援を続けてきた。
 財団岩手事務所によると、これまでの取り組みで修繕に着手できていない世帯は残り1世帯になった。失業世帯も解消したという。市地域福祉課は「在宅被災世帯に支援が届いていない実態は承知していたが、市のマンパワーが不足していた。財団に事業委託することで問題を抱える被災者と信頼関係を築いてもらい、生活再建につなげることができた」と振り返る。
 日弁連が提案する災害ケースマネジメントも、支援員が在宅被災世帯の個別事情をきめ細かく把握し支援計画を立案する仕組み。支援は被災世帯が自立するまで続ける想定だ。
 財団岩手事務所の熊谷新二統括は「在宅被災世帯の生活再建には継続した支援が必要。最終的には平時の福祉施策につなげていかなければならず、行政と一体になった取り組みが不可欠になる」と強調する。


2016年10月03日月曜日


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