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<七ケ浜遺体>被告次女 兄への不満募り凶行

 佐藤幸江被告は逮捕後、一貫して黙秘してきた。公判では一転、兄とのトラブルなど犯行の動機や経緯を語ったが、仙台地裁判決は「切迫した状況とはいえず、殺害は正当化できない」と断じた。
 被告の説明によると、母かのさんが2013年ごろに認知症を患うと、被告は食事や排せつなどの世話を1人で担ってきた。介護や家事を手伝わない兄長一さんに「少しぐらい手伝ってくれても…」と不満を募らせていたという。
 日頃の不満が一気に噴き出したのは15年3月22日ごろ。兄が母の脚を平手でたたく場面を目撃し、「陰でこんなことをしていたのか」と兄ともみ合いになった。「首を絞められ、『殺される』という恐怖を感じた」と供述した。
 近くにあったハンマーで兄を殴って殺害し、遺体を台所の床下に隠した。近所で騒ぎとなるほど戸外にも悪臭が漂う中、普段通りの生活を続けた。同年9月5日ごろに母が亡くなると、「葬儀を行えば兄への犯行が発覚してしまう」と庭に穴を掘って埋めた。
 「兄は社員寮に入った」「母は親戚の家に行っている」。犯行を隠すため、周囲にうそをつき続けた。事件が発覚しそうになると、約1週間、東日本を高速バスなどで逃亡した。
 愚痴を聞いてくれた姉に対し、被告は法廷で「胸中を考えると心から申し訳ない。母と兄を思い、償いの心を持ち続けたい」とつづった手紙を読み上げた。
 一方、検察側は書面による意見陳述で姉の心中を明かした。「一生刑務所で2人にわびながら生きていってもらいたい」
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 仙台地裁は3日、殺人と死体遺棄罪に問われた宮城県七ケ浜町東宮浜神明、無職佐藤幸江被告(56)の裁判員裁判で、懲役13年(求刑懲役16年)の判決を言い渡した。


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2016年10月04日火曜日


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