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<介護予防移管>地域の担い手どう確保

「やすらぎデイサービス」でボランティアと一緒に体操する高齢者=宮城県川崎町

 介護保険制度の改正で、介護の必要性が低い「要支援」向けサービスの一部が、介護保険事業から市町村事業に移管される。地域での支え合い活動を通じた介護予防の取り組みを推進し、元気な高齢者は支援する側の役割が期待される。2017年度の完全移行に向けて宮城県内の自治体は準備を進めるが、担い手確保など課題は多い。(報道部・丹野綾子)
 市町村が担うのは、要支援1、2の段階の高齢者を対象にした予防訪問介護(家事援助など)と予防通所介護(デイサービス)。全国一律だったサービス基準や内容、料金を市町村が独自に定める。
 介護事業所に加え、NPOや住民ボランティアも担い手となる。お茶会や見守り、買い物支援など住民による日常の交流を「支え合い活動」と位置付け、高齢者の生活支援や社会参加につなげる。
 川崎町では昨年6月から週2回、地域包括支援センターがデイサービスを開始。70〜90代約10人がリハビリやゲームを楽しむ。料金は1回1000円で、介護保険サービスと同水準。運営は実質的に住民ボランティアが有償で担う。
 住民主体のサロン活動も始まった。村上良子さん(78)は自宅で月1回サロンを開き、近所の高齢者を招いて歌やおしゃべりを楽しむ。「互いの認知症予防になるし、私自身も癒やされる」とやりがいを語る。
 制度改正を前に、町や地域包括支援センターは住民向けの説明会や研修会を重ねた。町は「もともとボランティアが活発な土地柄。より支え合いの幅が広がった」と説明する。
 制度改正について厚生労働省は「地域に合った多様なサービス提供」を強調する。財政難に伴う事業縮小の側面は否定できず、「住民への負担押し付け」「介護事業者への報酬抑制につながりかねない」などの批判や不安は根強い。
 多くの自治体は手探り段階だ。仙台市は年度内に住民主体のサービスを導入するモデル事業を実施する方針。担当者は「どのように高齢者を受け入れてもらうか、課題を把握し、進め方を検討する」と話す。
 「不具合は走りながら修正するしかない」と言うのは岩沼市。各種団体への説明会のほか、担い手育成の出前講座に取り組む。市は「高齢者を含めた地域福祉全体の向上につながるよう長いスパンで取り組む必要がある」と先を見据える。

[介護予防サービスの移管]高齢化で介護保険料の大幅な増大が見込まれる中、国は要支援者を重度化させないための介護予防サービスを市町村事業に移す。県内で対象となる要支援者は5月末現在で3万1295人。要介護も含む認定者全体(11万55人)の28.4%を占める。


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2016年10月05日水曜日


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