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<台風10号>避難所 簡易ベッド導入進まず

岩手県田野畑村の避難所で段ボール製の簡易ベッドを組み立てるボランティア

 台風10号豪雨で甚大な被害が出た岩手県岩泉町の住民が暮らす避難所で、簡易ベッドの導入が進んでいない。国の防災基本計画は地方自治体が整備を図ることを定めているが、町は「避難者の希望があれば用意する」との姿勢にとどまる。冷たい床に寝ることで体調を崩すケースもあり、簡易ベッドを望む声が高まっている。
 町隣の田野畑村の指定避難所には、町民29人が身を寄せる。支給された寝具は1人につき布団1組だけで、カーペット敷きのホールで眠る夜が続く。
 同町中島の千葉泰彦さん(43)の次女(10)に異変が生じたのは避難を始めて3週間が過ぎた9月22日の夜だった。全身に出たじんましんと急な発熱。診察した医師は「原因は断定できないが、雑魚寝で床のほこりを吸い込んだ可能性が高い」と説明した。
 石巻市から駆け付けたボランティアの奥田弘幸さん(52)らは町に掛け合って同月25日、役場に保管されていた段ボール製の簡易ベッド約20台を運び込んだ。
 段ボール箱9個の上に段ボール製の天板を載せたシンプルな作りだが、千葉さんは「起床時の喉の違和感がなくなり、寒さも緩和された」と効果を唱える。
 町によると、被災2週間後に支援物資として段ボール製の簡易ベッド80台が届いた。50台は利用希望のあった避難所の高齢者や障害者に提供したが、残る30台は使われていない。
 東日本大震災を受けて2012年に修正された国の防災基本計画では、自治体が避難所で整備を図る項目に簡易ベッドが加わった。町は「残りの30台は希望があったら提供する。ストックが尽きたら追加支援をお願いするしかない」と説明する。
 町内の避難所では今も100人以上が薄いマット敷きの床などでの就寝を強いられている。14年の広島土砂災害や熊本地震の被災地支援にも携わった奥田さんは「段ボール製の簡易ベッドは安価で被災自治体は積極的に導入していた」と指摘。「支援を待つだけでなく、購入してでも避難者全員分を確保すべきだ」と訴える。


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2016年10月06日木曜日


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