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<震災被災地のいま>遊び場から元気発信

冒険あそび場が仙台市六郷小で開いた出張形式の遊び場。子どもたちの元気な声が校庭に響いた

◎ここから 仙台・東六郷(4)冒険広場

<18年再開目指す>
 子どもたちが穴掘りや基地づくり、たき火などで自由に遊び、歓声が絶えなかった仙台市若林区井土の海岸公園冒険広場。東日本大震災の津波に襲われ長期休園中だが、市は2018年4月の再開を目指し、復旧工事を進めている。
 「子どもたちが豊かな自然環境に触れ、安心して遊び、家族の絆を確かめ合える場を一日も早く再生するよう、子育て世代から強く求められている」と市の担当者は言う。震災前の年間利用者は16万〜20万人で、地域に交流とにぎわいを取り戻す施設として期待は大きい。
 市は井土地区の海岸公園に、子どもたちが伸び伸びと遊べる「冒険遊び場」やデイキャンプ場、馬術場などを整備する計画だ。利用者の安全を確保するため、震災時に5人が津波から逃れた展望台を「避難の丘」に造り直し、約700人が駆け上がれるようにした。
 冒険広場は公設民営で、市は17年度に指定管理者を公募する方針。応募に強い意欲を示すのが、震災当時の指定管理者だった市内のNPO法人「冒険あそび場−せんだい・みやぎネットワーク」だ。理事の根本暁生さん(44)は「冒険広場の再開後をずっと見据えてきた」と強調する。
 法人は震災後、被災地で出張形式の遊び場づくりに取り組む。参加した子どもたちは震災経験を語ったり、友人関係、受験などさまざまな不安を漏らしたりすることがあるという。プレーリーダーの岩渕健史さん(36)は「遊ぶことで発散できる」と話し、心のケアの役割を実感している。

<震災の痕跡保存>
 冒険広場で流木など津波の痕跡を保存したり、再生の過程を記録するなど、震災の記憶を伝える活動にも力を入れる。広場周辺の生き物調査も手掛けている。
 「震災後、周辺地域とのつながりが今まで以上に見えてきた。冒険広場が東六郷の再生、元気につながればいい」と根本さん。遊び場づくりを通じて、地域の復興を思い描く。


2016年10月07日金曜日


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