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<苦闘 梨田楽天>救援陣不調 一気に失速

中5日の先発登板で4回10失点と炎上した則本=5月18日、岩手県営野球場

 今季新たに梨田昌孝監督を迎えた東北楽天は2年連続の最下位から脱出し、5位で2016年を終えた。3季ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出を目標として開幕直後、一時は単独首位に立つなど好スタートを切った。だが、投打に次々とほころびが出た5月、泥沼の9連敗を喫して最下位に転落し、最後まで下位から抜け出せなかった。理想と現実の間でさいなまれた梨田楽天1年目の投打にわたる苦闘を振り返り、来季へ向けた課題を探る。

◎1年目振り返る(上)9連敗

 「あれを最後まで引きずった」。梨田監督が最も悔やむのが5月の9連敗だ。始まりは14、15日のロッテ戦。壮絶な打撃戦の末、2戦続けて延長サヨナラ負けした。

<勝利の方程式狂う>
 「(投打に)全てを出してやられ、精根尽き果てた」。先発に大量援護した打線を裏切るように救援陣が失点を重ねた。投打の信頼関係を損なうような敗戦で9連敗の泥沼に突入した。借金は4から一気に13へ。借金10到達は2005、06年の創設期に次ぐ早さで、開幕好スタートしたチームは一気に失速していった。
 救援投手陣が不安定なのが誤算だった。昨季実績のある青山浩二、福山博之、松井裕樹に、新外国人リズを加えて「勝利の方程式」を構築する監督の構想は9連敗前に崩れかけていた。
 青山はここ数年の蓄積した疲労もあって本来の姿ではなく、既に3敗。比較的安定感があった福山は回をまたいでの登板や、勝ちパターンでもない試合での登板による負担増が重なって4敗した。リズは制球難で、救援3試合で失格の烙印(らくいん)を押された。
 守護神・松井裕も九回に4失点、6失点するなど安定感を欠いた。「春のキャンプの投げ込み不足が響いた」と松井裕。くだんのロッテ戦では、ともにサヨナラ打を浴びた。
 「七回を任せられる救援がいない」と頭を悩ませた梨田監督は、先発をできるだけ長い回投げさせることで穴埋めをする手に出た。中でも完投能力の高い則本は中5日起用を決断。中6日で回していたエースの登板間隔を、シーズン序盤に縮めるのは異例だった。

<則本に過度の負担>
 9連敗中の5月18日のオリックス戦。則本昂大は自己ワーストの10失点と、衝撃的な内容で敗れた。24日の西武戦でも敗戦投手となり、チームは7連敗。連敗は中5日で2度投げた大黒柱でも止まらなかった。
 CS進出争いをする3位ロッテと10.5ゲーム差で迎えた後半戦、梨田監督は再度、則本をフル回転させた。オールスター戦から中2日の先発に始まり、ロッテとの直接対決を中心に中5日で3度起用したが、勝ち星は挙げられなかった。結局、則本は後半戦2勝に終わった。
 則本、美馬学、塩見貴洋が規定投球回数(143回)を超えたが、ブリガム、リズの新外国人はともに0勝。森雄大ら成長を見込んだ若手有望株の台頭もなかった。昨年のドラフトでオコエ瑠偉、茂木栄五郎、足立祐一ら野手偏重の新人補強をしたこともあり、昨季から投手力の上積みがほとんどなく、監督は最後まで苦しいやりくりを強いられた。
 則本は2日の本拠地最終戦で約2カ月ぶりに11勝目を挙げた。梨田監督は「強い責任感から『肩や肘は大丈夫』と言ってもらい、頼り過ぎた」と反省の言葉を述べた。(佐々木智也)


2016年10月07日金曜日


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