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ワインにトライ 釜石で醸造「W杯」に照準

収穫前のブドウを確かめる小谷さん=釜石市甲子町天洞

 東日本大震災で被災した岩手県釜石市でブドウを栽培し、ワインを醸造する二つの計画が進められている。三陸の海の幸と一緒に楽しめる新たな名物として、同市も試合会場となる2019年ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会までの完成を目指す。
 内陸の甲子町天洞(あまほら)地区では、NPO法人遠野まごころネット(遠野市)が14年4月からブドウを生産。15年秋に約18キロを初めて収穫し、長野県のワイナリーで「釜石ワイン」を10本試作した。
 被災地の新たな地場産業に育て、障害者の就労支援につなげるのが狙い。今後は小規模ワイナリーを建設し、ワイン目当てのツアーを呼び込む考えだ。
 今年はブドウ3種類を計約300キロ収穫した。品種別のワイン醸造には各500キロが必要。小谷雄介副理事長(49)は「今は作り手の見える国産ワインが人気だ。釜石の希望となるような魅力的な商品にしたい」と語る。
 津波被害が甚大だった鵜住居地区でも、民間有志が14年3月にブドウ栽培を始めた。W杯に向けた地元の機運醸成や開催時の盛り上げが目的。同市で日本初の近代製鉄に成功した盛岡藩士大島高任が晩年、ワイン事業を手掛けたことにヒントを得て発案した。
 近くの旅館で働く広田一樹さん(30)が花巻市のブドウ園の指導を受け、経験のない農作業を担う。今年9月末に待望の初収穫の予定だったが、直前に実のほとんどがハクビシンとみられる動物に食べられた。収穫と醸造は来年に持ち越しとなった。
 広田さんは「海のそばで育てているためかブドウの実に塩っ気があり、ひと味違う釜石らしいワインに仕上がりそうだ。しっかり動物対策を施し、次は必ず収穫したい」と意気込む。


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2016年10月07日金曜日


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