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<杜の都のチャレン人>理系の魅力 浸透図る

オープンキャンパスに訪れた女子高校生と話す那花さん=仙台市青葉区の東北大青葉山キャンパス・理学研究科棟

◎東北大サインエス・エンジェルで活動/那花友莉恵さん(24)

 東北大で今夏あったオープンキャンパス。理学研究科棟の一室で同大サイエンス・エンジェル(SA)の仲間と共に、理系進学を考える女子高生の相談に応じた。
 「理系科目は好きだけど苦手科目がある」「大学の勉強は難しいのでは」。質問の多くは高校時代に自問したことと同じだ。どう進路選択したのか、体験談を気さくに話した。根底には「できる、できないと考える前に、科学を学びたい気持ちがあるのなら興味を優先してほしい」との思いがある。
 日本では特に自然科学系研究者の女性の割合が少ないと指摘されてきた。そうした背景もあり10年前、小中高校生に科学の魅力を伝えるSAの活動は始まった。東北大の自然科学系大学院に所属する女子院生が科学イベントや学校への出張セミナーを催す。本年度任命の61人の一員として活動する。
 小学時代から理系分野が好きで、高校に進み宇宙に関する研究をしたいと考えた。だが、理系科目を難解と感じ始め、特に物理が苦手で理系進学を断念しかけた。
 進路選択の時期に関心を持ち始めたのが環境問題だった。自然に囲まれて育った原点を見つめ直し、東北大農学部への進学を決めた。環境に配慮する農法の分野で土壌の機能を研究。特に稲の生育と硫黄欠乏の関係を追究している。知らなかった事象に次々と出合う科学の楽しさに魅了された。
 先に工学研究科へ進んだ姉からSAで活動した話を聞き、参加した。児童や生徒ら対象学年に合わせ、イラストや写真を使って自分の研究内容を説明する。専門用語は極力使わない。「学会発表の方がむしろ楽かもしれない。伝える力を付けたことは、今後の社会生活の中できっと役立つと思う」
 来春からは総合食品会社の研究部門で働く予定だ。「科学の力によって、人を笑顔にしたり幸せな気持ちにさせられたりできればいいな」と願っている。(い)

<なばな・ゆりえ>92年栃木県益子町生まれ。宇都宮海星女子学院高卒。15年、東北大農学部を卒業し同大大学院農学研究科入学。現在、博士課程前期2年。資源生物科学専攻(土壌立地学分野)。仙台市青葉区在住。


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2016年10月08日土曜日


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