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<苦闘 梨田楽天>離脱者続出プラン狂う

6回満塁の好機で遊飛に倒れた5番今江。FA加入の今季、勝負弱さが目立った=8月11日、QVCマリンフィールド

 今季新たに梨田昌孝監督を迎えた東北楽天は2年連続の最下位から脱出し、5位で2016年を終えた。3季ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出を目標として開幕直後、一時は単独首位に立つなど好スタートを切った。だが、投打に次々とほころびが出た5月、泥沼の9連敗を喫して最下位に転落し、最後まで下位から抜け出せなかった。理想と現実の間でさいなまれた梨田楽天1年目の投打にわたる苦闘を振り返り、来季へ向けた課題を探る。

◎1年目振り返る(中)打線の歯車

 パ・リーグ3球団目の指揮を執る梨田昌孝監督が方向性を強く打ち出したのが打線についてだった。
 「ダルビッシュ(米大リーグ・レンジャーズ、宮城・東北高出)がいた守備型の日本ハムより打撃型の近鉄寄り。打って投手を援護する野球になる」

<打順を固定できず>
 このプランが開幕4戦目で早くも崩れた。3月29日、敵地でのロッテ戦。六回、左中間への飛球を追った中堅手松井稼頭央が左翼のウィーラーと交錯し、右膝を負傷した。「3割は打てる」と期待した3番を欠いた。
 同時に「超攻撃的2番 銀次」と就任直後に掲げた打線の看板も失う。3年連続打率3割超の銀次を2番に置き、犠打で送るよりもエンドランなどを仕掛け、大量得点を狙う形を理想とした。それが松井稼の負傷で銀次を3番に立てざるを得なくなった。
 梨田監督は打順を固定し、戦術を駆使しやすい顔ぶれでの戦いを得意とする。だが4月中旬以降、藤田一也、今江敏晃、岡島豪郎、嶋基宏と次々けがで離脱し、台所事情は悪化の一途。連日打線の組み替えを強いられた。「日替わり打線」とやゆされた昨季より年間通して2通り多い119通りの打順を組むことになる。そもそも1年間1軍にいたのがウィーラー、聖沢だけだった。
 やりくりで苦しんだのが、今季27本塁打、88打点と4番の働きをしたウィーラーの前後を打つ3、5番。
 開幕5戦目から3番を約1カ月半打った銀次は2割台前半と低迷。代わった島内らも「3番に入った途端に打てなくなる呪縛にかかった」(梨田監督)。5番もフリーエージェント(FA)で加入した今江の指定席だったが開幕20戦で6打点。こうなるとウィーラーに相手バッテリーのマークが集中。「1人に負担がかかった」(仁村ヘッドコーチ)状態となり、開幕約1カ月でいったん調子を落とした。後半戦で新外国人が加わるまで得点力不足に悩まされ続けた。

<助っ人 誤算の連続>
 新助っ人も誤算の連続。4番に本命視されたアマダーは3月上旬に左手首を痛め、前半戦をほぼ棒に振った。米大リーグ通算162本塁打のゴームズは7番に置き、「下位に打線の山をもう一つつくりたい」(梨田監督)と考えた。だが打率1割台、わずか1本塁打で5月上旬に退団した。
 後半戦、アマダー、ペゲーロ、ペレスの新外国人3人が合計22本塁打してようやく得点力が改善され、2〜4番を外国人が占める一発狙いの攻撃的な形にシフトしたこともあった。結果的に総得点544は昨季より80以上増え、リーグ5位になった。
 半面、今季のチーム盗塁数56と成功率60.2%はいずれもリーグ最下位。犠打失敗や、走者が打球判断を誤って飛球で戻れずアウトになるミスも連発。各チームのエース級を打線一丸で攻略した試合もほぼなかった。主将の嶋は「同じ過ちを繰り返した自分たちに甘えがあった。そこを改めないとAクラスにはいけない」と細かな野球の徹底を課題とした。(浦響子)


2016年10月08日土曜日


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