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野田村産ワイン、復興の香り 9日醸造開始

入荷したヤマブドウの品質を確認する坂下さん

 岩手県野田村で9日、特産のヤマブドウを使ったワインの醸造が始まる。東日本大震災後、付加価値を高めた新たな名産作りを目指して事業に着手。ワイナリーの準備作業中の8月末には台風10号豪雨で停電などの被害があったが、スタートにこぎ着けた。関係者は「ワインを通じ交流人口を増やしたい」と意気込む。
 夏場の冷涼な気候を生かしたヤマブドウの生産が村の伝統で、生産量は県内2位。甘みの強さとほのかな酸味が特徴で、約11ヘクタールで栽培されている。
 2012年にワイン造りを始めたが、村内にはワイナリーがなく同県葛巻町の業者に委託していた。今年は15トンのヤマブドウを使い、ロゼと赤、たるで熟成させた赤の3種類約1万本を生産する予定。
 ワイナリーは村南部にある玉川地区の高台に整備した。太平洋から吹き付ける冷たい季節風の「やませ」と高台から臨む太平洋の景色から「涼海(すずみ)の丘ワイナリー」と名付けた。村出資の第三セクターが運営する。
 醸造開始まで約1カ月と迫った8月30日には、台風10号による豪雨で村内でも住宅が浸水するなどの被害が出た。ワイナリーも丸1日、停電と断水が続いた。
 施設内で作業中だった所長の坂下誠さん(45)は「醸造タンクの洗浄などの作業も控えており、いつまで断水が続くか心配だった」と振り返る。ヤマブドウ畑には被害がなく、品質にも問題はないという。
 9日当日は午後1時半から、ワイナリーのオープニングセレモニーと醸造開始式のイベントを開催。施設の見学やブドウ踏みの実演、ジュースの試飲会などがある。
 坂下さんは「農家の皆さんが大事に育てたブドウ。一粒たりとも無駄にしたくない。野田の地酒と呼ばれるようなワインを造り、多くの人が行き交う場所にしたい」と話す。連絡先は涼海の丘ワイナリー0194(75)3980。


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2016年10月09日日曜日


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