山形のニュース

<里浜写景>青い海見渡す黄金色の棚田

海をバックに秋を彩る棚田。あぜに整然と並ぶくいに、稲が次々と掛けられていく
棚田で稲刈り体験する子どもたち

 実りの秋を迎えた。黄金色の稲穂が風に揺れる。日本海が目の前に迫る山形県鶴岡市温海の暮坪地区。背後の丘陵地に棚田が広がる。
 「暮坪の棚田」は山形県内で唯一、海を望める棚田だ。晴天に恵まれた9月下旬。階段状の水田で、米作り約40年の奥井厚さん(68)は収穫に励んだ。
 刈り取った稲は、妻の繁さん(65)が手際よく束ねていく。くいに掛け、自然乾燥させる昔ながらの手法。食味が良くなるので、手間を惜しまない。
 かつて住民のほとんどが半農半漁だった地区の暮らしは、時代とともに変わった。現在、稲作を続けるのは2戸だけ。合わせて約1.5ヘクタールの棚田で米を作る。
 作業の手を休め、奥井さんが自慢の田んぼを見渡した。「棚田は地区の大切な財産。次の世代まで守っていくよ」。力強く、自分に言い聞かせるように話すと、額に光る汗を拭った。(文と写真 写真部・鹿野智裕)

[メモ]「暮坪の棚田」は2008年、山形県の棚田20選に選ばれた。あずまやが整備され、観光客や写真愛好家の撮影スポットになっている。晴れると新潟県の粟島まで一望できる。集落の子どもたちを対象に米作り体験も行われ、収穫した米は地区で1人暮らしの高齢者に配られる。


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2016年10月09日日曜日


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