山形のニュース

<原発避難>移住定住 元避難者が指南

経験を買われ、移住、定住希望者の相談役コンシェルジュに委嘱された村田さん

 東京電力福島第1原発事故で福島県いわき市から山形県長井市に避難し、そのまま定住した学習塾経営村田孝さん(51)が「移住定住コンシェルジュ」を市から委嘱された。村田さんは「長井は自然豊かで環境に優しいところが魅力。お世話になった恩返しとして、自分の経験を伝えていきたい」と意気込んでいる。
 コンシェルジュの制度は昨年11月にスタートし、村田さんが委嘱第1号。年間十数組ほど訪れる移住希望者向けの相談会に助言者として出席したり、就農を希望する人たちからの電話相談に応じたりする。任期は2018年8月までの2年間で本格的な活動はこれからだ。
 村田さんは原発事故直後、4歳年上の兄が暮らす長井市に家族7人で避難した。その後、循環型農業に取り組むNPO法人の職員となり、古里の福島や首都圏に低農薬栽培の野菜やコメを直送したり、同じ避難者同士で日本酒造りに挑戦したりするなど活発に活動してきた。
 コンシェルジュの同僚スタッフは、埼玉出身の20代の青年。首都圏の学生たちに長井を案内し、街の魅力を伝えてきた村田さんと循環型農業を通じて知り合った。村田さんを頼り、長井市に移住したという。
 避難して移住を決めてから、新天地で5年半以上の時が過ぎた。避難するまでの23年間、いわき市内で塾講師をしていた経験を生かし、昨年11月には小中学生対象の塾を開校した。
 村田さんは「震災前は家族とゆっくり過ごす時間も少なく、ここに来て幸せな時間と人に恵まれた。暮らしに満足しているので、その思いを長井に興味を持つ人たちに伝えられたらいい」と話す。
 担当の同市地域づくり推進課の松木満課長は「移住した人の目でいろいろな意見を出していただきたい。村田さんの幅広い人脈と豊富な知識、経験に期待している」と語った。


2016年10月10日月曜日


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