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復興願い湖底散策 奇跡のアジサイにも再会

湖底に咲くアジサイを写真に収める参加者=9日正午ごろ、須賀川市の藤沼ダム

 東日本大震災で決壊し、下流で7人が死亡、1人が行方不明となった福島県須賀川市の藤沼ダムで9日、「湖底を歩く会」が開かれた。ダムの復旧工事が年内に完了するのを前に、県内外の約300人が被災の記憶を改めて共有した。
 開催は着工前の2013年4月以来。参加者は再建が進む堤の上からダムを見渡した後、草木が生い茂る湖底に降り、約4キロを1時間ほどで歩き切った。
 初開催した際に湖底でアジサイの群生が見つかり、挿し木で増やした「奇跡のアジサイ」の株は全国で花開いている。この日は10月にもかかわらず二つの花序が見つかり、「花の生命力はすごい」などと驚きの声が上がっていた。
 福島県出身で、2人の娘と歩いたさいたま市の主婦今井ひとみさん(32)は「昨年から自宅前で奇跡のアジサイを育てていて、またとない機会だった。子どもたちにとっても福島の思い出の一つになったはず」と笑顔を見せた。
 歩く会は地元長沼商工会などが主催した。遠藤吉光商工会長(64)は「みんないい表情だった。これを機に、もっと多くの人に福島や藤沼ダムとの関わりを持ってほしい」と語った。
 ダムは来年1月に水を入れ、春に農業用水の供給を再開する予定。商工会などは6月、全国の「里親」を集めてアジサイを植えようと計画している。


2016年10月10日月曜日


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