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<いのぐ塾>被災の石巻高生 高知で教訓語る

地元住民との語り合いに加わる雁部さん(正面前列右)。津波避難や訓練の在り方などについて意見を交わした=9日、高知県室戸市

 東日本大震災を教訓に南海トラフ巨大地震への備えを呼び掛ける高知新聞社(高知市)の事業「いのぐ塾」が9日、高知県室戸市であり、石巻高2年の雁部那由多(なゆた)さん(17)=宮城県東松島市=が参加した。「16歳の語り部」の著書がある雁部さんは「自ら助かろうとする意識が何よりも大事」と述べ、津波からの避難を諦めない大切さを訴えた。
 室戸岬に近い三津公民館であった塾には地元の自治会長や民生委員、保育園長ら10人が参加。地元住民25人が聴講した。
 巨大地震の想定では、地区には地震発生から20分で津波が押し寄せて最大15メートルに達し、海辺のわずかな居住地域のほとんどが浸水する。そのため参加者からは「高齢者の中には逃げ切れないと避難を諦めている人が少なくない」「地震の揺れで家やブロック塀が倒れ、避難さえ困難になりかねない」と不安の声が相次いだ。
 雁部さんは体験を交え、「『あなたが死んだらみんなが迷惑する』とはっきり伝え、みんなで生き残ってほしい」などと助言した。
 いのぐは現地の方言で「生き延びる」の意味。高知新聞社は今年2月、河北新報社と共催で防災・減災ワークショップ「むすび塾」を高知市で開いたのを機に全社事業として「いのぐ」を始めた。
 8月には公募した高知県内の中学生4人を宮城県女川町などに派遣。雁部さんは8日、この4人を含む高知県内の中高生23人と交流したほか、9日には室戸高で講演した。
 河北新報社は語り部の派遣など、いのぐの取り組みに全面協力している。


2016年10月10日月曜日


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