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<Eパーソン>稲作再生 銀行と連携

涌井徹(わくい・とおる)新潟県農業教育センター(現県農業大学校)卒。1970年秋田県大潟村に入植。87年に大潟村あきたこまち生産者協会を設立し、社長。68歳。新潟県十日町市出身。

 秋田県大潟村でコメの生産加工と販売を行う大潟村あきたこまち生産者協会は8月、秋田銀行(秋田市)や三井住友銀行(東京)などと、低コストの稲作を手掛ける「みらい共創ファーム秋田」(大潟村)を設立した。新会社の代表を務める涌井徹あきたこまち生産者協会社長に、狙いと取り組み方針を聞いた。(聞き手は秋田総局・渡辺晋輔)

◎大潟村あきたこまち生産者協会 涌井徹社長

 −設立した理由は何か。
 「国内の稲作農家の平均年齢は70歳と言われ、農家全体よりも高齢化が進み、多くは後継者がいない。このままだと、国内の稲作は一気に崩壊し、食料の安定供給という責任を果たせなくなる。農家一人一人の力には限界があるため、日本の稲作の受け皿になろうと会社を設立した」

 −大手銀行も出資に加わった。
 「三井住友銀と協会は2015年から、インドネシアに農業技術を移転する支援事業に取り組んでおり、国内の稲作再生を目指して新事業を共に手掛けていくことにした。今年4月の農地法改正で、農地を保有できる農地所有適格法人に銀行が出資できるようになった。大手行が加わることで、対外的な信頼度が高まるほか、県外にあるネットワークの力を借りることができる」
 「農地所有適格法人である新会社には、大手リース会社のNECキャピタルソリューションと三井住友ファイナンス&リースも出資している。それぞれが新会社を通じて現場の声を吸い上げ、稲作に今後どう関わることができるか研究していく」

 −具体的に何をするのか。
 「稲作のコスト削減のため、広大な田んぼで農機を効率良く動かせるモデルを構築する。単一の品種を作付けすると、作業期間が集中し、少ない農機では対応できない。複数品種だと、収穫や刈り取りの期間に幅を持たせることができ、農機の稼働時間を延ばせる。県外の農業法人などとも協力できる部分は共にやっていきたい」

 −秋田県で行う意味は。
 「日本の稲作再生は、少子高齢化が全国最速で進む秋田から始まると考えている。県内各地の農業法人を応援するため、緩やかな連携を組んでノウハウを提供していきたい。地域主体で一緒に取り組みたい」


関連ページ: 秋田 経済

2016年10月12日水曜日


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