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駅伝「走りたい」もう一度 支援学校生が懸命

宮城県予選出場に向け、練習に励む生徒たち

 知的障害のある角田支援学校高等部(宮城県角田市)の男子生徒10人が、23日に栗原市である第67回全国高校駅伝競走大会宮城県予選に向け、練習に励んでいる。同校は19年連続で大会に参加していたが、東日本大震災の影響で会場が移って交通費が工面できず、2015年は出場を断念した。「走りたい」との夢をもう一度かなえるため、再びスタートラインに立つ。
 同校は1996年、県内の支援学校で初めて県予選に参加した。当時は石川県の例があるだけで全国でも珍しかったという。現在は岩沼高等学園(宮城県岩沼市)も参加する。
 県予選は角田市に隣接する宮城県亘理町で開かれてきたが、震災で会場の施設が被災。2011年は柴田町、12年から栗原市若柳に会場が移った。
 角田支援学校の生徒はコースに慣れるため4、5回会場を試走しなければならず、各区間走者のサポートに1人ずつ引率の教諭が付く。生徒と引率の計約20人の交通費と宿泊費で約30万円が必要になるという。これまでは学校の費用でやりくりしてきたが、昨年は経費を出せなかった。
 今年は卒業生の了解を得て、親睦会費を充てて参加する。学校は17年度以降も大会に出られるよう、角田市内の陸上競技関係者らに支援組織の設置を働き掛ける考えだ。
 佐藤文雄校長(57)は「障害のある生徒が一般生徒と同じ土俵で競うことは本人にとって自信になる。長距離を走るのは自分との闘いで、社会参加する際に役立つ」と話す。
 1年の時に出場し、今年は主将を務める3年星大輝さん(17)の母美鳥さん(54)は「走るのが楽しくて何事にも積極的になり、体も心も強くなった。高校生活の最後に力を出し切ってほしい」と見守る。
 長男(21)が3年前に参加し、今年は次男(18)が出場する母親(41)は「走るのは得意でないが、仲間と一緒にいるのが楽しいようで一生懸命練習している。出場は貴重な経験になる」と喜ぶ。


2016年10月13日木曜日


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