青森のニュース

平和愛した沢田教一を知って 青森で写真展

「安全への逃避」に写るアンさん(中央)、フエさん(右)と再会したサタさん=7月、ホーチミン市
ベトナム戦争時の旧正月(テト)に行われた解放戦線側の攻勢を約1カ月にわたって撮影した作品群=青森市の青森県立美術館
沢田教一が撮影した1955〜61年ごろの小川原湖=青森県東北町

 ベトナム戦争中に撮影した「安全への逃避」でピュリツァー賞を受賞した報道カメラマン沢田教一(1936〜70年、青森市出身)の足跡を回顧する企画展「生誕80周年 沢田教一 故郷と戦場」が、青森市の青森県立美術館で開かれている。妻サタさん(91)=弘前市=が2014年に寄託した資料を中心に、未発表の写真を多数展示。サタさんは「何げない平和な日常を愛していた沢田を知ってほしい」と話す。
 企画展を前に、サタさんは今年7月、ほぼ17年ぶりに沢田と暮らしたベトナム・ホーチミン市を訪れた。沢田が働いていたUPI通信社サイゴン支局や、自宅があった場所、沢田の作品(レプリカ)が展示されている戦争証跡博物館などに足を運んだ。
 「安全への逃避」で母親に抱かれているフエさん、最後尾に写るアンさんとも再会。「立派に成長した姿に感動した。互いに年を取りましたねと笑い、久しぶりに沢田の写真の話をできて良かった」と振り返る。「照明弾が落とされるのを毎晩見ていた当時を思うと、ベトナムの人たちが普通の生活を営み、街も大成長したことが素晴らしい」と感慨深げに語った。
 企画展では、寄託した2万4700点の資料からフィルム、手帳、ニュース映像など約350点を展示。米軍三沢基地内のカメラ店に勤務し、サタさんと結婚した頃の青森の風景や、ベトナム滞在中に人々の暮らしを捉えた写真など未発表作も100点ほど並ぶ。
 サタさんは「沢田が愛した穏やかな日常風景を多くの人に見てもらい、戦場カメラマンではなく、一人のカメラマンとしての一面を知ってもらうことが何よりの願い」と話す。
          ◇         ◇         ◇
 企画展は12月11日まで。同館学芸員が今年3月に米国で発見した「安全への逃避」前後の場面が写るフィルムや、ピュリツァー賞審査用に冊子にまとめた写真28枚の複製パネルも初公開する。今月15日には午後1時からドキュメンタリー映画「SAWADA」上映、午後3時からサタさんのトークイベントがある。


関連ページ: 青森 社会

2016年10月13日木曜日


先頭に戻る