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<原発避難>帰還後の営農・医療に不安

11行政区に続いて事業者を対象にした最終日の懇談会=12日、福島県川俣町

 東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が続く福島県川俣町山木屋地区で12日、町による住民懇談会が終了した。来年3月末の避難指示解除に向け、住民からは営農再開に向けた支援や医療に対する不安を訴える意見が相次いだ。今年5月まで入院した影響もあり、古川道郎町長がほとんど出席しなかったことに一部から批判も出た。
 懇談会は2〜12日、11の行政区ごとに開催。町幹部や国の関係者が町内の集会所などで、住民の訴えを聞いて対応を説明した。
 住民は営農再開などに関して要望。「資金繰りに困っている。どんな補助金があるか」と支援を求めた。
 除染廃棄物の搬出遅れにも不満が噴出した。「(廃棄物の)袋の山と隣り合わせでは、農産物が風評被害を受ける」「早く(中間貯蔵施設に)搬出してほしい」といった意見が続いた。
 高齢化の進行や1人暮らしの増加を懸念する意見も目立った。地区内の町立診療所は今月3日に再開したが、診療は1日2時間の週2日。事故前の週3日より少なく、住民は「1人で帰還する人もいる。何かあったときに大丈夫か」などと訴えた。
 町は「営農ではそれぞれに合った補助金の活用を提案していく」「診療所は震災前の状況に戻せるよう、医師確保に尽力する」「緊急通報システムの機器を無料配布する」などと説明。廃棄物の早期搬出は難しく、国の担当者は「いつまでとは言えない」と話した。
 町内の事業者を対象に町役場であった最終日の懇談会のみの出席となった古川町長は、取材に「住民の要望に国や県と一緒になって応えていきたい」と述べた。大半を欠席した理由については「体調がすぐれず、参加できず申し訳ない」と話した。


2016年10月13日木曜日


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