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元救急隊員、築90年の自宅改装し古本店開店

築約90年の自宅を改装し古本店を開いた佐藤さん(左)と路代さん(中央)

 宮城県丸森町耕野に古本店「スローバブックス」が開店した。本好きの佐藤浩昭さん(47)が救急隊員を退職し、代々養蚕農家だった築約90年の自宅を改装して店を構えた。食や田舎暮らし、童話、美術など幅広い分野の約2000冊を取りそろえる。「本に触れる楽しさを発信し、地域活性化に役立ちたい」と夢を描く。
 店はそれぞれ12畳半の2間。地元の大工に作ってもらった杉の机を置き、自由に読書できる。耕野は東京電力福島第1原発事故の被害を受けた地区で、原発や東日本大震災関連の書籍も並ぶ。地域のイベントにも出店する。
 佐藤さんは高校時代、山際淳司さんのスポーツノンフィクションにはまり、本が好きになった。町内には書店が1店しかなく、仙台の書店やインターネットで購入していた。
 白石消防署に勤務。11年に両親を亡くし、13年11月には同町筆甫に住んでいた仙台市出身の洋画家刈田路代さん(42)と結婚した。
 「人生の転機に地域に関わる仕事をしたい」と15年3月末で退職。県南の活性化に取り組む地域プロデューサー養成講座「伊達ルネッサンス塾」を受講し、開店構想を温めた。
 オープンの9月21日は生誕120年になる宮沢賢治の命日に合わせた。賢治が残した「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」(「農民芸術概論綱要」)のフレーズを路代さんに教えてもらい、決めた。
 佐藤さんは「静かで心が落ち着く耕野に合った本を集めた。本を通じて地区内外の人々に交流してもらいたい」と話す。
 当面は週1回程度の開店(午前10時〜午後4時)とし、次回は10月15日。連絡先は佐藤さん0224(75)2775。


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2016年10月14日金曜日


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