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<葛尾村長選>無投票で篠木氏が初当選

福島県葛尾村長選に初当選して花束を受け取る篠木氏

 任期満了に伴う福島県葛尾村長選は13日告示され、無所属新人の農協役員篠木弘氏(65)のほかに届け出はなく、無投票で初当選を果たした。村は今年6月、東京電力福島第1原発事故の避難指示が大部分で解除されたばかり。篠木氏は事務所で「葛尾の復興再生を少しずつでも前へ進めていきたい。これからが正念場だ」と述べた。
 篠木氏は「安心して暮らせる環境づくり」を目指し、医療・福祉の充実や農林畜産業の再生を掲げたが、地域の現状は厳しい。
 避難指示解除を受けて村に戻った人は今月1日現在で93人。対象人口1338の7.0%にとどまる。生活基盤の整備をはじめ、急速な過疎化や高齢化対策など難題が山積する。
 中でも除染廃棄物は営農再開の妨げになっている。農地など31カ所の仮置き場に1トン入りの黒い袋計約40万個が置かれたままで、住民は風評被害を懸念する。
 基幹産業の畜産の再開も容易ではない。村は肉用牛の生産基盤回復に向け、子牛を出荷する繁殖農家に資金を補助する制度を創設。だが、牛舎再建や担い手の高齢化が壁となり、再開にこぎ着けた農家はいない。
 診療所の医師不在が続くなど医療・福祉の機能回復も急がれる。篠木氏は「初期医療体制を整えて安心感を持てる村にしなければ、高齢者は戻りにくい」と医師確保に注力する考えだ。
 帰還率アップには被災家屋などの解体促進が欠かせない。環境省によると、9月30日現在で撤去を終えたのは、申請のあった約360件の25%に当たる約90件という状況だ。
 篠木氏は「住宅のリフォームなどを終え、来春には戻る人が増えると思う。ただ、若い世代が戻るかが大きな課題だ」と強調する。
 12日現在の有権者は1275人。


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2016年10月14日金曜日


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