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<飯舘村長選>復興政策置き去りに批判合戦

仮設住宅で訴えを聞く飯舘村の有権者=11日、福島市

 東京電力福島第1原発事故で全村避難する福島県飯舘村の村長選(16日投開票)で、避難指示の解除時期を巡り、現職と新人が批判合戦を繰り広げている。村は帰還困難区域を除き、2017年3月末に避難指示が解除される予定。再生に向けた政策論議が置き去りにされた格好で、村民から不満の声も上がっている。
 同村長選には、ともに無所属で、6選を目指す現職菅野典雄氏(69)と元村議の新人佐藤八郎氏(65)が立候補。佐藤氏が公約に掲げる「避難指示解除の白紙撤回」に、菅野氏が真っ向から反論している。
 選挙戦中盤の11日。村民が住む福島市の仮設住宅で両候補が鉢合わせした。
 菅野氏は佐藤氏が共産党籍を持つことを念頭に「避難指示解除は閣議決定されている。党の宣伝に古里を利用されてはたまったものではない」と白紙撤回の公約を痛烈に批判した。
 続いて演説した佐藤氏は「現職は村民の思いや願いを東電や国にきちんと伝えていない。大臣にペコペコしてテレビや新聞で目立っているが、村長は芸能人じゃない」と反論した。
 両陣営の主張からは復興に向けた具体的な提案を聞けず、60代女性は「アメリカ大統領選のヒラリーさんとトランプさんみたいで嫌だね」とあきれ顔だった。
 政府は今年6月、村や議会の了承を経て、避難指示を解除する方針を正式決定した。佐藤氏は「村が拒否すれば、避難解除の撤回は可能だ。精神的賠償を継続させる」と主張。菅野氏は「白紙撤回は不可能。避難指示解除が遅れれば、村が置いてけぼりになるだけだ」と訴える。
 福島市に避難する30代男性は「雇用の創出や教育方針など若い人が戻るために何に取り組むかを議論してほしい。中傷合戦に終わっては、村がばらばらになるだけだ」と語る。

 ◇福島県飯舘村長選立候補者
菅野 典雄69村長    無現
佐藤 八郎65元村議   無新


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2016年10月14日金曜日


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