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<熊本地震半年>派遣教諭 宮城の経験生かす

「震災後の南三陸での経験を生かしたい」と仕事に励む仲松教諭(右から2人目)=14日、熊本県御船町

 熊本地震で被災した熊本県御船町の小学校で、宮城県南三陸町志津川小の仲松晃教諭(43)が児童の震災ストレスに気を配りながら授業や防災教育に励んでいる。東日本大震災後、気仙沼市や南三陸町の学校現場で経験を積み、6月に宮城県教委から派遣された。仲松教諭は「子どもたちが安心して学べるよう力を尽くしたい」と意気込む。

 派遣先は滝尾小(児童73人)。学校周辺の道路で地震による落石が相次ぎ、5月から約4キロ離れた中学校の教室を間借りして教えている。主幹教諭として、主に高学年のチームティーチングの授業を担当する。
 御船町では2000戸以上の住宅が全半壊し、自宅が被災した児童も少なくない。「学習環境が大きく変化し、児童はいろいろなストレスを抱えている。先生が笑顔で接することが子どもたちの安心にもつながる」と柔和な表情を見せる。
 月に1度のペースで開催している防災集会では、大震災の教訓を児童に伝えている。9月には、津波防災に取り組んできた南三陸町で、なぜ大きな被害が出たかを問い掛けた上で「自然の力は人間の想像を超えることがある。『これで大丈夫』と油断しないこと」と備えの大切さを伝えた。
 南三陸町出身。震災時は避難所となった勤務先の気仙沼小で、被災者支援に当たった。発生翌月に南三陸町入谷小に赴任し、インフラが復旧しない中で授業を行うなど厳しい環境の中で子どもたちと向き合った。
 入谷小では東京都から派遣された2人の教諭に、さまざまな面で助けられた。熊本に赴任後は「自分も熊本の先生たちの力になりたい」との思いを募らせる。
 来年3月まで滝尾小の教壇に立つ予定。「防災教育は『ここが危ない』という話だけでなく、なぜそこに人が住み続けるのかという視点も大切。御船町の良いところを、子どもたちと一緒に考えていきたい」と笑顔で語った。


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2016年10月15日土曜日


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