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<里浜写景>逆境に立ち向かうハマギク

太平洋を望む岩場で、潮風に揺れながら咲き誇るハマギク=4日
太平洋を望む岩場で、潮風に揺れながら咲き誇るハマギク=4日

 「災い転じて福となす」。宮城県気仙沼市唐桑町の三陸復興国立公園「巨釜半造(おおがまはんぞう)」で見頃を迎えたハマギクはまさに故事の通りだと、地元のネイチャーガイド千葉正樹さん(54)が案内してくれた。
 奇岩怪岩が連なる海岸は東日本大震災後、松くい虫被害が深刻になった。枯れた松は切り倒され、かつての景観は見る影もなくなった。「でも地面の日当たりが良くなったせいか、今年ほどハマギクの花が多いのは初めて。悪いことばかりじゃない」。波をかぶるような岩場を純白に彩る。
 震災は千葉さんにとっても転機になった。首都圏でワカメなどが売れなくなり、一念発起して景勝地で岩場トレッキングガイドを始めた。子どもの頃の遊び場でもある。
 「無い物ねだりより、ある物を生かしたい。観光客は減ったままだが、自分が種をまけばいい」。急斜面を好むハマギクの花言葉は「逆境に立ち向かう」。唐桑は花も人もたくましい。(文 気仙沼総局・高橋鉄男 写真 写真部・山本武志)

[メモ]ハマギクは青森県から茨城県にかけて太平洋側の海岸に自生する多年草。岩場や傾斜地で初秋から初冬にかけて直径6センチ前後の白い花を咲かせる。巨釜半造では一回り小さいコハマギクもこれから見頃。千葉さんは岩場トレッキングやシーカヤック(5〜10月)のガイドを務める。
 連絡先は090(3753)2278。


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2016年10月16日日曜日


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