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<仙台城>大手門復元 作業用道路を迂回路に

仙台空襲以前の仙台城大手門(仙台市戦災復興記念館所蔵)
円山氏が迂回路利用を提案している作業用道路=仙台市青葉区川内

 仙台市の復元計画が滞っている仙台城の大手門について、既存の作業用道路を迂回(うかい)路にする整備案が浮上した。大手門跡は現在、市道交差点となっており、迂回路の整備が課題。検討次第では早期実現に向けて、計画が動きだす可能性が出てきた。
 整備案は、東北大流体科学研究所の円山重直教授(熱工学)の私案。東北大のキャンパス再整備に携わった経験から作業用道路に着目し、同大川内南キャンパスを通る市道につなげると迂回路が整備できるとしている。
 作業用道路は、大手門跡の南約50メートルから西の東北大植物園方面へ向かう約150メートルの舗装道路で、幅約6メートル。現在は通り抜けできない。道路周辺は市有地と国有地で、仙台城の再整備事業では石垣の置き場に使われた。
 仙台城跡から迂回する場合は車で北進し、大手門跡の手前で左折。作業用道路を通って右折し、川内南キャンパス内の市道を北進後、川内北キャンパス手前を右へ曲がるルートになる。
 円山氏は「大手門は仙台の国際的なシンボルになるが、迂回路がないことが復元のネックとなっていた」と指摘。「東日本大震災から10年となる2021年の完成を目標にできないか」と期待する。
 大手門は1931年に国宝指定されたが、45年7月10日の仙台空襲で焼失。跡地は戦後、市道交差点に使われている。市は2005年策定の「仙台城跡整備基本計画」の中期目標に大手門の復元を打ち出し、6〜15年後に着手する予定だった。
 復元は、川内亀岡町から八木山方面へとつながる都市計画道路「川内旗立線」の開通が前提だが、現在も見通しが立っていない。市文化財課は復元時期の先送りも視野に入れている。
 円山氏の私案について、日本近世史が専門の平川新宮城学院女子大学長は「今考えられる現実的な提案だと思う。関係者には前向きな検討を期待したい」と語る。
 大手門跡周辺は03年に国史跡に指定され、文化財保護法で現状変更が制限されている。文化庁の担当者は「史跡としての価値が向上するなら、迂回路として活用する可能性はあるのではないか」との見方を示す。
 復元に向けては市や東北大、過去に復元事業を推進していた仙台商工会議所などとの調整が必要になる。

[メモ]仙台城大手門は素木(しらき)造りの2階建て。高さは約12.5メートルと国内最大級の規模を誇り、屋根の上には一対のしゃちほこが据えられていた。隣接していた隅櫓(すみやぐら、脇櫓)も戦災焼失したが、1967年に再建された。


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2016年10月17日月曜日


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