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津波で土中から芽吹く「サジオモダカ」再生へ

県薬用植物園で栽培中のサジオモダカ。株間から伸びる茎の先端から種を採る

 漢方の原料となる薬草で、宮城県の準絶滅危惧種に指定されているサジオモダカの復活に、県薬用植物園(宮城県名取市)が取り組んでいる。湿地帯に生息し、元々は塊茎が仙台藩の名産品だった。都市化の影響などで確認されなくなっていたが、東日本大震災の津波で土中に眠っていた種が芽を出し、県が希少植物の保存に向け栽培に乗りだした。
 NPO法人薬用植物普及協会みやぎ(同)が2015年度、県から栽培を受託。東北大が保存していた株を植物園で栽培しながら県内の生育分布を調べた結果、岩沼市と亘理町に自生しているのが見つかった。
 震災の津波で表土がはがされ、埋まっていた種が芽吹いたとみられる。協会は15年8月、亘理町の自生株を植物園に移植。順調に育っており、今後は種を採取して増やしていく方針だ。
 サジオモダカは土中の直径数センチの塊茎が漢方の沢瀉(たくしゃ)となる。江戸期には仙台藩の沿岸で採れる「陸前沢瀉」が良品として取り扱われ、大量生産された。都市化に伴う湿地帯の減少に加え、水田に除草剤がまかれるようになり、半世紀ほど前から姿を消していったという。
 沢瀉は現在も下痢や吐き気、冷え性を改善する漢方薬に使用される。国内栽培品は少量で、ほとんどは中国などから輸入している。
 協会の草野源次郎理事長は「希少植物のためまずは増やすことが先だが、将来的には沢瀉を採る高付加価値作物として栽培できるといい」と夢を描く。


2016年10月17日月曜日


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