宮城のニュース

<エコラの日々>ソラニワ

絵・木下亜梨沙

 わが家はウナギの寝床のような敷地に建てられた3階建ての店舗付き住宅。屋上にあるのが「ソラニワ」です。義父が狭い敷地で何とか庭のスペースを確保しようと、5階建て分の鉄筋を入れ、補強して造った屋上庭園です。
 私が手入れを受け継いでからはバラや草花、ハーブや野菜を植え、四季折々に楽しんでいます。この夏にはブルーベリーを収穫してジャムを作りましたし、コンポストに入れてしまった種から立派なカボチャが育ち2個も収穫できました。
 ソラニワを維持するのはなかなか大変です。築約50年の鉄筋コンクリート。もともと屋上に庭を造るために設計した建物ですが、建築基準法も改正されているし、宮城県沖地震が来ても大丈夫なようにと10年ほど前に耐震性を診断し、耐震壁を追加する工事をしてもらいました。頭の上に重量のある土や植栽を載せているので不安もあったのです。
 屋上緑化用の軽量土や資材も開発されていますが、それでも建物に対する耐荷重条件をクリアしなければなりません。おかげで今、ソラニワを楽しむことができています。
 防水や排水といった水の管理も重要です。防水シートが地震などで破れていないか気掛かりですが、今のところ大丈夫なようです。防水シートが破れると水や植物の根がコンクリートに入り込み、建物に大きな損傷を与えてしまいます。植物の種が排水口に入ると、そこから芽を出し、排水口の詰まりの原因になることもあります。そのため排水口の清掃も欠かせません。
 コンクリートのままでは降った雨はそのまま下水に流れ込みますが、緑化した部分は相当量の雨水を吸収します。乾きやすい環境にあるソラニワの植物たちは雨が降ると途端に生き生きとしだします。
 夏の屋上はコンクリートの照り返しもあり、焼けるような暑さになるのですが、緑化された部分は温度の上昇が抑えられます。また、土や植物により断熱性が増して夏の最上階の室温を下げ、冬は保温効果があり、省エネやヒートアイランド現象の緩和に役立つと考えられています。
 ソラニワには鳥たちが運んできた種から芽生えた、植えた覚えのない植物がいくつも育っています。ちっぽけなソラニワですが人間だけでなく鳥や虫たちにとっても憩いの場であり郊外の緑と街中の緑をつなぐ役割を担っているようです。
(ACT53仙台 木下牧子)


2016年10月17日月曜日


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