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<この人このまち>障害者に飲食店マップ

 北上市の小原広記さん(55)は、NPO法人アクセシブル北上の理事長として、障害者への対応状況を載せた「きたかみ飲食店UD(ユニバーサルデザイン)マップ」の作製に当たった。同市など岩手県内で22〜24日に開かれる全国障害者スポーツ大会を機に、北上を「障害者に優しい街」にしようと活動に力を入れる。
(北上支局・布施谷吉一)

◎NPO法人アクセシブル北上理事長 小原広記さん(55)

 −マップは9月に完成しました。特徴は。
 「市の委託を受け、A2判の地図を3500部作りました。市内の飲食店34店の電話番号や住所といった基本事項に加え、エレベーターや段差の有無、トイレ様式のマークを付けました。身体、知的、精神の障害別に店が対応可能かどうかも表記。身体は車いす利用者と視覚、聴覚などの障害がある人に分けました」
 「折り畳むとポケットに入ります。何回も開いたり閉じたりしても折り目が変わらない折り方を採用しました。11日まで開かれたいわて国体の会場などで配布。健常者からの反応は良好でした。電子版も障害者大会をめどに開設します。障害の有無に関係なく、使える情報にしたいですね」
 −地図作製のきっかけは。
 「NPO法人の障害者の会員から『飲食店を選ぶ際に参考になる地図が欲しい』という話が出ました。北上は国体や障害者大会の総合開閉会式の会場となり、全国から大勢の障害者が訪れます。社会参加を後押しする目的からも、地元の食を楽しんでもらう環境づくりが必要と考えました」
 −苦労した点は。
 「どう対応すればいいかを飲食店に知ってもらうため、ソフト面の支援が必要でした。昨年11月から計4回、飲食店関係者を対象に講座を開きました。最初は『対応は無理』と考える人が多かったのですが、障害者に同伴者がいることを説明し、まずは受け入れる気持ちが重要と訴えました」
 「店の意識は少しずつ変わりましたが、地図に掲載した店が一部にとどまったのも事実。今後も理解を広げる活動に努め、掲載店を増やしたいと思います」
 −取り組んだ意義は。
 「掲載店に障害者の対応が難しくないと分かってもらえました。誰もが住みやすく、遊びに来やすい街として魅力を全国に示すチャンス。今回の取り組みは地域の財産になるはずです。一方で国体と障害者大会は、一つのきっかけに過ぎません。地元で普段から使える情報として、いかに浸透させるかが課題。来年度以降に生かしていきます」
(月曜日掲載)

[おばら・ひろき] 1960年北上市生まれ。東北学院大卒。NPO法人アクセシブル北上の事務局長を経て、2015年から理事長。安全タクシー(北上市)社長。


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2016年10月17日月曜日


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