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<震災資料廃棄>機構理事長 全て廃棄認める

 東日本大震災の津波による宮城県名取市閖上地区の犠牲を巡る訴訟で、仙台地裁は17日、一般社団法人「減災・復興支援機構」(東京)の木村拓郎理事長を地裁に呼び、尋問した。市から第三者検証委員会の事務局運営業務を受託した機構の理事長は、検証の基礎資料を全て廃棄したことを認めた。
 尋問は非公開。遺族側によると、地裁は機構が廃棄したとされる基礎資料について、廃棄の経緯や方法などを聴いた。
 理事長は尋問後の取材に、「元々、訴訟で使わないとの前提で市職員らにヒアリングした。証言が訴訟で使われることになれば、今後、災害が起きても誰も第三者委員会の質問に答えなくなる」と語った。
 提訴から8カ月後に当たる昨年5月中旬ごろに廃棄した理由は「検証報告書の完成から1年が経過したためで、基礎資料は全く残っていない」と説明。事後検証に必要となる可能性については「目的外使用に当たる」との認識を示した。
 市は、廃棄に関する規定を契約に盛り込んでいなかった。
 遺族側によると、昨年2月に任意で開示を要望していたが、理事長は尋問で「記憶にない」と答えたという。遺族側は「再発防止を真剣に考えていたのか疑問だ。信じられない」と批判した。


2016年10月18日火曜日


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