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避難の町と避難先 ご当地かるたで縁深く

短歌を選ぶ未来会議のメンバー=いわき市

 福島県いわき市勿来地区の住民でつくる「勿来ひと・まち未来会議」と、東京電力福島第1原発事故による避難で同地区に仮役場を置く同県双葉町が、かるたで交流する計画を進めている。それぞれが作製中のご当地かるたを使い、2017年1月に大会を開く予定だ。
 未来会議と双葉町は定期的に意見交換会を続ける。今年4月の会合で、互いのかるた作り構想を知り、一緒に取り組むことにした。
 勿来地区は地元の風景や行事、生活などを詠んだ短歌のかるたを作る。未来会議会長の室井潤さん(52)は「勿来の関は歌枕として知られ、短歌によるまちおこしも進められている。古里の良さを再発見したいと考えた」と話す。
 7〜8月に小中学校に依頼し、チラシや回覧板でも呼び掛けて募った結果、323首が寄せられた。9月の1次選考には双葉町職員らも参加。今月4日に小中学生の20首、一般の20首の候補を絞り込んだ。
 双葉町が作るのは「あ」から「ん」までのかるた。全国に避難する町民に配っているタブレット型端末の活用策として考案した。
 町秘書広報課の担当者は「かるたは子どもからお年寄りまで一緒に楽しみながら、町の歴史や文化、生活を伝えられる」と説明する。6〜8月にタブレットで読み札を募集。731点が集まり、町職員や復興支援員らによる選考会で46点を決めた。
 勿来地区、双葉町とも、美術やデザインに携わるそれぞれの出身者に絵札作りを依頼。双葉町は12月中に全2800世帯にかるたを送る予定で、NTTドコモが「東北応援社員募金」を寄付し、資金援助する。
 大会は来年1月22日に勿来の関公園の体験学習施設「吹風殿」で開く。ルールや進め方などは今後、両者で協議して決める。
 勿来地区には双葉町の町外拠点となる災害公営住宅が17年度後半に完成する予定。未来会議の室井さんは「かるたを通して互いの古里のことを知り、理解と交流を深めたい」と話す。


2016年10月18日火曜日


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